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梅雨があけたというのに相変わらずグズグズした天気でなかなかパーっと晴れませんね。

 

さてひさしぶりのリペア内容ですが、今回は「カヴァキーニョ」というブラジルの弦楽器ですT-SQUAREの安藤さんからの依頼により修理しました。

 

一見してなにも問題なさそうな楽器に見えますが、じつは楽器として大きな問題があったのです・・・・。


お預かりする前に、安藤さんから「音程がシャープぎみになるんだよね~」という話しを聞いていましたが、その時は「ああ、たぶんオクターブが狂っているのかな・・・」と単純に考えていました。

なにはともあれ、まずはチューナーでチェック!するとどのポジションでも平均して約25~30centシャープするのです。この段階では「なるほどやはりオクターブか・・・・ここまで狂うという事はブリッジ接着の段階で位置を大幅にミスったか・・・」と判断。そこで爪楊枝などをサドルがわりに使い意図的にサドル位置を後方へずらしてチェック。約2ミリほどずらしてオクターブチェックしたところ約10~15centの範囲で最初より多少よくなったか??という程度。

いくらサドル位置を調整しようがしっくりくる所がなく、これは何かがおかしい・・・と感じはじめました。そこであらためてフレット全体を眺めてみると「ん??なんだ目の錯覚か??」とはじめは思い、定規で確認してみると・・・・

下の写真をよ~くご覧ください。

7~8フレットがあきらかに間隔が狭いのです。滅多にお目にかかる事はないのですがいわゆる「フレット音痴」です。

ただしここだけ間違えているのであればこのポジションだけ音程が狂うはずですが、その他のポジションもまんべんなく音程にバラツキがあります。はじめのチェック段階で0~12F、12F~サドル頂点、の寸法確認では問題なかったのでスケールから割りだした正確な各フレットポジションの位置までは確認していません。

計測したところスケールは約331mmなので計算式を使い各フレット位置を算出したところ上記の7~8フレット以外もかなりアバウトなフレット位置という事が判明。これではいくらオクターブ調整しようが永久に合いません。
「残念ながら根本的な部分で狂っているので改善方法は全フレットを抜き、フレット溝も埋めて、あらたに正確な位置に溝を切るという方法になります」と告げて・・・・「仕方がない、では・・・」

となり修理Goです。


まずはフレットをすべて抜きました。その後にエポキシ樹脂でフレット溝を完全に埋め、おおまかに荒いペーパーまで指板修正した状態が下記です。

 
通常、フレットレス仕様に改造する場合など、溝埋めには「木材」を使います。が、ここではあらたにフレット溝を切ります。しかもコンマ何ミリというもとの溝位置に非常に接近・重複する位置にフレット溝を切っていくので、木材を埋木に使うとノコでカットする段階でささくれてしまったりと、溝が綺麗に切れません。(下図・イメージ)


*ホームセンターなどで売られている15・30・90分硬化タイプのエポキシは硬化後の固さが柔らかくこの手の作業には使いません。

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↑こういうやつね。ただしコレはこれで大いに活躍する場があるので必ず常備しています。

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