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夏休みは終わり、子供達は学校ですね。大人になれば夏休みなんてありません。だからといって仕事ばかりしていたのでは身体も心もリフレッシュできませんよね。十分な休息、仕事以外の"何か"をする事で頭の中もリフレッシュ&クリエイティブになり、よりいっそう仕事へのプラスになると私は信じています。

 

話しは変わりますが、ここ1年ほどでハマッタ音楽・CDをご紹介。

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「ANIMETAL USA」
サイコーです。約1年前にこのアルバムの話しを聞いた時は「これは即買いだ!」と思ったものでした。というのもメンツがすごい!ボーカルにマイク・ヴェセーラ、ギターはクリス・インペリテリ、ベースがルディ・サーゾ、ドラムがスコット・トラヴィス(現在はジョン・デッテ)
プロデュースがマーティ・フリードマンと、これで良くないわけがない。

私の世代だとドンピシャなんですよねー、ドラゴンボール、マジンガーZ、ガッチャマン、キン肉マン、ウルトラマン、etc.......よく子供の頃お祭りとかの帰りには「お面」を買ってもらいました。マジンガーZは超合金、仮面ライダーの「ベルト」も持ってましたね~。
勿論、元祖アニメタルは聴いていましたしCDも何枚かあります。ところがUSAは全然迫力(サウンド)が違う!もともと高校生の頃はラウドネスが好きで、二井原 実からマイク・ヴェセーラに変わった後も大好きでした。
インペリテリの正確無比に弾くスタイルも好きだし、レーサーX・現ジューダスのドラマーであるスコット・トラヴィス、オジーやホワイトスネイクにも参加していたルディ・サーゾと、、、その方々が本気モードでアニソン。背筋がゾクゾクしちゃいました。

 

 


 

*注)今回の画像は全てギターの素性が分からないようにPhotoshopでモザイク、スタンプなどで加工してあります。

さ、そろそろ本題を書いていかないと。

今回はメーカー不明、モデル名不明のアコースティックギター。オーナー様からの要望によりギターの素性は伏せてあります。画像の「インレイ」とある部分には木材と貝を使ったちょっとしたインレイが施されています。モザイクかけてますがインレイがあると想像して見てくださいね・・・・。

せっかくインレイが施されているのですがこのギターの現在のオーナー様は「通常のポジションマーク」に戻したいという事です。ただし、インレイを取り除いた後は(エボニーなら)黒い樹脂(広範囲なら同材)で埋めますがどうしても「埋めた痕」が残る・分かってしまいます。
それでは、という事でこの部分の指板面を丸々えぐり取り、新しい指板をはめ込んでしまおうという事になりました。

まずはフレットを抜きます。その前にカッターで罫書き線を付けておきます。罫書き?なぜ??

以前から書いてますが、実際の作業に入る前には「入念に」頭の中で「作業の段取り」をシミュレーションします。あまりよく考えずに作業すると、後から「困った」という場面に出くわしたとき対処できなくなります。今回は「インレイ部分の指板面をそっくりそのまま削り取り、新しい指板材を埋める」という方法。イメージとしてはこういう感じ・・・・下図

なぜ罫書き線を付けておくか?ちょうど「フレットの端」部分で「分かれ目・境目」にすれば新しく製作・埋める事になる指板と、元々の指板面の「繋ぎ目・境目」が目立たなくなるからです。余談ですが、部分塗装も同じ考え方。何もないノッペリしたところで境目にしてしまうと目立ちます。

では「せっかくフレットの溝があるんだからそこを境目にしちゃえば?」と思われるかもしれません。ところがドッコイ、仮にそうした場合、接着段階でコンマ数ミリという精度でのズレまでもが許されなくなる事。なぜかと言えばフレットの「溝幅分」を差し引いた寸法の指板を作り、接着時にピッタリと合わせないとなりませんから。フレットの溝はコンマ数ミリ広がったり狭くなったりしただけでフレット脚がうまく入らなかったり、きつくなりすぎたりします。かといって、このギターはバインディングがあるため後からフレット溝を切る事も出来ません。

という事で罫書きを付けたらフレット抜き。

*注)今回の画像は全てギターの素性が分からないようにPhotoshopでモザイク、スタンプなどで加工してあります。

フレットを全て抜いたらインレイを取り外すべくドリルで穴を数ヶ所あけていきます。↑上の画像はインレイが施されているとしてイメージしてくださいね。

ドラキーちゃん、かわいいですね(笑) そういえばWiiでドラクエ10が出ましたね、しかもオンラインゲームだとか。私もファミコン世代なのでドラクエはシリーズ1からすべてやってきたが、前回の9はニンテンドーDSの「あの小さな画面」でチマチマやる事が苦痛になってクリアせず途中放棄。今回のオンラインはチョットね~。。。。。(笑)

ドリルであけた穴にハンダごてをあてます。そうすると接着剤が軟化してくるので、千枚通しなどを穴にひっかけて貝を取り除きます。これがうまく行く場合と非常に時間がかかる時があり、ある程度 塊でゴッソリと取れればいいのですが貝がボロボロと砕け散ってしまいなかなか思うように取れない事が多いです。

「あれ?どうせ指板面を削るんでしょ?貝も一緒に削り取っちゃえば?」と思われますが、貝をトリマーなどの刃で削り取ると一瞬で刃がダメになります。削る事は可能ですけどね・・・。


画像加工してあるので見づらいですが、想像して見てくださいm(_ _)m

 


さて、アニメタルの続き

世間ではヘビメタなんてうるさいだけ、なんぞ言われますが確かに認めます。。。うるさいのは。でも「だけ」とは言わせません(笑) 素晴らしい音楽です。ようは人それぞれ好み、音楽のジャンルに良い悪いはありません。
同じくアニソンでもつい最近買ったのがコレ↓
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これまた日本を代表するミュージシャンが勢揃い。野呂一生、増崎孝司、神保彰、則竹裕之、櫻井哲夫、etc.......
こちらはよく聴かないとアレンジによってなんの曲だっけ?と分からなくなる事も。メタル馬鹿と思いきやJAZZ、FUSIONもしっかり好きです。


 

貝をすべて取り除いたらいよいよ指板面を一段削り取ります。削り取る部分はあくまで「インレイ・貝の厚み」まで。約2.0mmくらいですかね。

トリマーにガイドを付けて削ります。周囲を囲う合板材は先ほどの「罫書き線」とバインディング部分にピッタリ合わせてあります。これで掘っていけば最終的に2.0mmの余裕を残して削り取れます。

断面図は上。指板を剥がすわけではないので必要最低限の深さまで掘ります。

*注)今回の画像は全てギターの素性が分からないようにPhotoshopでモザイク、スタンプなどで加工してあります。

赤印

赤印の部分、分かりますか?バインディングからわずかに(2.0mm)余裕をとってあります(掘れてます)。トリマーでいきなりピッタリ(最終的に削り取る位置まで)はいきません。

←残った2.0mmはノミを使い慎重に落としていきます。


上の画像を見てください。フレットの溝にはあらかじめメイプルの薄板をはめてあります。これは何のためかというと、フレット溝ギリギリまでノミでカットしていくので、ちょっとした力加減でパキッといってしまうのを防ぐ目的。

ノミを使って綺麗に正確にカットし終えたら小さなブロックにペーパーを付けて平面出しです。トリマーで削る段階である程度の平面は出ているので細かい刃の段差などを修正する程度です。

←平面が出ているかしっかりチェック

次のページでは新しくはめ込む指板材の製作にはいっていきます。

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