当サイト内、個々の"コンテンツページ"へ直接リンクを貼っていただいて構いません。尚、当サイトに掲載されている画像等の無断転載はご遠慮下さい。
スポンサーリンク
09.10月 ----1ページ目----- 022)PAGE 1
2
<<< REPAIRページ(修理記事一覧)へ戻る
季節は秋です。皆様いかがお過ごしですか?
今年の夏は仕事の合間をぬってかなり充実した"夏"でした。子供の頃からずっと「いつかは・・・」と思っていたスポーツ、スキューバダイビングを始めました!
今年5月ごろ、いつも泳ぎに行っているジムで、たまたま体験スキューバしてみませんか?と言われたのがきっかけ。体験といっても25Mプールでタンク付けて潜るだけ。それでも水中で呼吸できるという事にすごくワクワクした。体験を受けたあとすぐに情報を調べ、ダイビングをやるにはまずCカードというライセンスを取得しないといけない事を知り、一人沖縄へダイビングライセンス取得旅行へ。
沖縄は恩納村にあるダイビングショップにお世話になり、青の洞窟という素晴らしく綺麗な海で無事Cカード取得。ダイビングポイントへ移動するのにボートで数分かかるが、なんとガス欠で浅瀬で立ち往生!なんてハプニングもあり、一緒に講習を受けていた女性2人組とも仲良くなり、すごくいい想い出ができました。
「海の中」というまるで別世界を堪能してます。テレビで海中の様子などはよく見ますが、実際に体験すると全く別!幻想的な世界が広がっています。いまにもスターウォーズ・グンガン族の水中都市が出てきそうです・・・。
ここ数日、すこしながら時間に余裕ができたのを見計らってここぞとばかりリペアコーナーの連続アップです。以前に
Chakiのネックリセット
は載せましたが、あらたにChaki P-5というギターのネックリセットをアップいたします。板割れやブレイスの剥がれなどこちらのほうが少し重傷かもしれません。
*実際の修理は約1年半ほど前に行ったものをご紹介してます
まずは状態チェックです。
表向き、見た目はいいんですが・・・
ジョイントの部分、側面に定規を当てたところですね。
ヒールの部分はこのようにかなりの隙間が空いてます。
ここで珍しい写真をご紹介。
MARTINやGibson、Guildなど、ダヴテイルジョイントで15フレットを抜きスチームを入れればOK、と分かっていれば問題なくすぐに取りかかれるのですが、今回のように中身がどのような構造か不確実な場合、念のためレントゲン写真を撮って確認しました。
右の画像には驚きました。ロッドがこんな形で仕込んであるなんて・・・。勉強になりました。
←上の画像をアップに。
赤点線がネックブロック、黄点線がネック側です。通常のアコギでしたら15フレットを抜きそこからドリルで小さな穴をあけスチームします。が、今回はネックヒール部分にストラップピンの穴がけっこうな深さで開いてます。という事でこのピン穴をドリルでジョイント部の空間まで貫通させてスチームすることに。
ここで一つ重要な事を。多くのネックリセット作業時に共通して言える事ですが、リセットが必要な場合、とくにオールドなどは大抵ヒールに隙間ができています。
このままスチームしても下図のように隙間から蒸気が勢いよく逃げてしまいます。この位の隙間があってもスチームをかければ外れるんじゃない?って思われるかもしれませんが、ココはかなり重要なポイントです。このままでいくら蒸気を入れてもほとんどが隙間から逃げてしまいいくらたっても接着剤を軟化させる事は出来ません。
もう十年以上前、初めてジョイント外しを行った時は緊張して手が震えるほどでした・・(笑) 当時は隙間があると効率が悪くなるなんて思いもよらず、ネックを外すのにかなりの時間と労力を使いました。
何事も「失敗は成功のもと」と言われるとおり、人は失敗を繰り返すごとに学んでいきます。
ジョイント部の接着剤を蒸気で「効率よく」柔らかくするには「ジョイント部の空間を密閉さす」とうまくいきます。そこで、写真のようにヒール部の隙間を木工パテで塞ぎます。
ボディにかかっているネック指板部分はパレットナイフを差し込み接着を剥がしておきます。古いギターは接着剤が劣化しているのでナイフを挿せば剥がれるケースが多いです。
パテをしたら一晩おき十分固化したところで、全ての下準備が出来たら一気にスチームをかけてハイッポン!とネックジョイントが外れました。いつもながらこの作業中は時間が勝負なので画像を撮れません・・・。
*2016年1月
マーチンD28のネックリセット修理
をアップしました。動画でネックが外れる瞬間もご覧いただけます。
レントゲン写真で確認できたトラスロッドの先端が見えてます。
←ボディ側のジョイント部
ネックが外れたらすぐに乾いた布で水分を拭き取ります。少なくとも2~3日は置いて、水分を完全に乾燥させてから次の作業にとりかかります。
次ページではジョイント部の木工修正~完成までです。
09.10月 ----1ページ目----- PAGE 1
2
<<< REPAIRページ(修理記事一覧)へ戻る