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今回の御題目「埋め作業」は前ページで終了ですが、せっかくですから塗装を剥がして完成までの工程を・・・

いつも通りまず試しにスクレーパーでシュパシュパやってみましたが、ラッカー塗装ではないのでこれではらちがあきません。

 

どの程度の厚みがあるかを肌で(体で・触感で)確認するために、とりあえず慎重に木地が顔を出すまで削っていきました。すると、はじめに多少予測しておきましたが、その不安が現実に・・・木地着色です。一般 的にはサンディングシーラー層とトップのクリアコート層の間に着色してあるのですが、トラ目やキルテッド、木目をより強調させたい時などは木地(何も塗っていない)の段階で色を刷り込んでいます。


とまあ嘆いた所で始まらないのでそ~っと削っていきましょう。
このギターの場合すこし「??」だったのがよ~く観察すると、うす~い何かの膜と赤色が一体になっている感じでした。はたして本当の意味での木地着色だったのか今となっては分かりませんが、まあ、あまり削りこまなくても赤色がおちたのでホッとしました。(もっといろんなケースを勉強しなきゃアカンですな~(笑)。笑ってないで勉強しろって?!・ハイ。)

 

右下の写真を御注目。木目に反って少し色が残っているのが分かりますか?

 

スクレーパーでは困難、と判断したので御登場願うは「ハンドサンダー」。これ、かなり昔に買った代物です。いや~まさか将来こんな職業やってるとはね~(笑)今ではずいぶん役にたってます。終わったあと手がビリビリに痺れますが・・・

さてこの「ハンドサンダー」君に極悪人(のように見える)フィリップ・アンセルモ・・・・ではなく、極荒目#60くらいのペーパーを付けて削ります。機械を使うのはあくまで上面 の厚い塗面をおとす目的で・・・・右上はハンドで慎重に削っているところです。

 


右上、キレイになりました。

 

 

お次は側面&バックです。ポリの場合、先を尖らせたマイナスドライバーなどで塗膜とボディの間をブスッと挿していくと、こんな感じでパリパリ取れていきます。


ミョーに気持ちいいですね。このパリパリ感が。ゴーグルをかけないと目に飛び込んでくるので注意。

 

一箇所、オーナーさんが御自身で直そうとした痕があります。パテを埋めて処理してあるようです。

とりあえず全て塗装を剥いでいき、チェックしたところ木自体には僅かに凹み箇所があるだけで殆ど塗膜の「割れ」で済んでいました。そこで瞬間接着剤を凹みに付け、乾いたらサンディングで平らに・・・・完了です。「瞬間接着剤」と聞くと「素人が使う接着剤」というイメージが強いようですが、実際の修理ではイロイロな所で役にたちます。使い方さえ間違わなければOKです。

 

バック面の塗装はノミを使いおとしました。サイドと同じくパリパリとやるのですが、破片が飛ぶ、飛ぶ!髪の毛に入った破片を取るのが大変でした。

 

塗装を剥いだあとは木地調整で#320のペーパーまでかけて終了ですが、一箇所だけ下の突き板が顔を出しました。生産過程でもおそらく一番削り込みやすい所ですね。


塗装直前のトップ&バック写真を一枚!

 


 

いつものとおり外注で塗装をお願いして・・・・・・化粧して帰ってきました。マスキングを取り、PUキャビティ内に導電塗料を塗り、パーツ類を付けて、っと完成です。


ウオッ、下と上で随分色が違う。下が本物?の色です。

塗装について・・・・K-FORESTギター工房(*旧名称)では念願の塗装ブース(小規模です)を最近ようやく整えました。今後は修理の際のタッチアップ(部分塗装)などは当方で処理できるようになりました・・・嬉しい!。しかーし!全塗装ともなるとチョットばかりキツイ!場所もキツイ!ジーパンもキツイ!。当分はケースバイケースで全塗装はいつもお世話になっている外注業者さんにお願いしていこうと思います。やはりむこうは塗装の職人さんですから・・・(えっ、私?わたしはトークもできる職人を目指しています(笑))

*現在は完全な塗装設備が整っています。

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