12.05.01. ----1ページ目-----     026)PAGE 1 2

<<< REPAIRページ(修理記事一覧)へ戻る

趣味のお話し・・・
ダイビングにハマった事は以前に書いたが、その熱もいまやほとんど無くなり、最近は年に1~2度くらい綺麗な海で潜れればいいやというテンションです。
ところで、今ハマりにハマっているスポーツが2年半ほど前から始めたコレ。「カイトボーディング  & スノーカイト」

       

カイトサーフィンって言う時もありますけど、大きなタコを上げて風の力で引っぱられて水面を滑るスポーツ。左はプロのイメージ画像、右の写真はいつもお世話になっているX-Flyの松永氏。興味がある方はご案内します。

いっぽう冬はスノーカイトといって同じくタコを上げて(普通のスキー板やスノボを履き)雪面を滑る事ができます。通常のスキーゲレンデでは出来ないのでいつも行く場所は「美ヶ原」、他に霧ヶ峰や白馬五竜あたりの田んぼとかね。とにかく風さえしっかり吹けば広大な雪面を縦横無尽に滑る事ができ、何よりリフト代がかからない事がお財布にもやさしくて嬉しい^^

      

左画像はプロの画像。なにもだだっ広い場所だけではなくいわゆるバックカントリースキーにもカイトって役立ちます。右は先日行ってきた鳥海山でのスノーカイトの一コマ。
一般的なバックカントリースキーだと荷物を背負い数時間かけて登り、降りてくるのはものの数分かな? ところがカイトを使えば(天候や風など条件が良ければ)アッというまに頂上へ。カイトを拡げられるひらけた場所まではハイクアップしますけど・・・

ふつうスキー・スノボでは「滑り降りる」とは言うけれど「滑り登る」が出来てしまうのがすごいところ!この日も汗だくになりながらハイクアップしている方々を横目に「滑り登っては、滑り降り」を何回も。
こんな感じで夏は海、冬は山、と忙しい日々を送っています(笑)

 


 

気持ちを切り換え、さて今回は指板貼り替えをアップします。(何年も前に行った修理です)
ミュージックマンのアルバート・リーモデルですが、現状はメイプル指板、これをエボニー指板へ交換し、ポジションマークは星形にしようという内容です。


まずは持ち込まれた時の状態。

 


使用するエボニー指板と星型のポジションマーク。

 

当然ながらスケールは同じものを使います。

 

ではいきましょう。フレット抜きからです。

 

 


左の写真、パッと見「ん?ワンピース?」と思うかもしれませんがよく見ると貼りメイプル仕様です。右側、ヘッド表面はこのようにラメ塗装が覆ってますからちょうど「指板とネックの境目」まで慎重に慎重に・・・・少しずつ塗装を剥がします。

 


お次は指板面に熱をかけ指板を剥がす作業です。がその前に、今までの経験上なんとなく「この指板はしっかりくっついてるな」という雰囲気とかが分かります。オールドなどロッド交換が必要で指板を剥がす時はたいてい楽器自体も年月が経ち接着力も弱くなっているのでさほど問題ありません。
ところが比較的新しい楽器の場合、いくら熱を加えても微動だにしないほど強固な事が多く、こんな時は始めからもとのメイプル指板を「削り取る」方向で進めます。上の図はその方法ですが、両側に台になるものを置き、このようにルーターで削っていきます。


これがルーターで削り終えた画像です。ネックと指板の接着面ギリギリの位置まで削るのではなく数ミリ残します。サイドポジションマークが露出しているのが分かるでしょうか。

 

薄くした指板面に対して熱をかけます。

するとご覧のとおりパレットナイフもさほど力を加えずともすんなり入っていき、ネック材(接着面)のほうにあまりダメージ(木のささくれ等)を与えず剥がし取る事ができます。

 

←剥がし終えた画像です。

 


上画像:上下4ヶ所にクギ・突起のような物が顔を出してますが、これは製作工程においてネックと指板を接着する際、位置がずれないように施してあるものです。メーカーによってこうした位置ずれ防止があるものと無いものがあります。このへんは製作機械や接着方法などの違いで必要の有無が変わるためです。

 


さて新しく用意した指板材とネックを接着します。双方の接着面は綺麗にペーパーで慣らし、当然ながらスケールで平坦が出ているかなど入念にチェックし修正、下準備を整えます。
指板材の表裏、ネック材のほうには正確に中心線を罫書いておきます。接着時のズレ防止策はいろいろ方法がありますが、今回はポジションマーク部分に穴をあけ木ネジを使ってネック材と仮止めしてます(写真赤印)。

 


指板面にはアール(曲面)が付いているので逆アール(凹み)がついた当て木を置き画像のようにクランプで圧着します。ここで指板アールを無視して「逆アールの当て木なんて面倒だ、平坦な場所でいいや」とやってしまうと、力の加わり方が指板中央付近に集中してしまい、結果隙間ができてしまいます。
アールが付いてない指板材を接着するぶんには平坦で直線が出ている台の上、などで接着してもかまいません。その場合、接着後に指板アールを削りだしていきます。

 


次はポジションマーク入れです。まだ指板とネックは単に接着しただけで成形はしてませんが、中心線さえ分かっていればポジションマークは埋められます。

12.05.01. ----1ページ目-----     PAGE 1 2

<<< REPAIRページ(修理記事一覧)へ戻る