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さて、前ページでかなり言いたい放題やりましたが気をとりなおして作業の続きです。
(あんまり真に受けないでね。WinマシンもMacも今じゃ中身は一緒、インテル入ってる、仲良く共存していきましょう)


↑デカール製作業者から完成品が届きました↑

 

もう一つ、今回は元々「白」「黒」のボディをオーナー様からお預かりしましたが、お客様のご要望で全塗装剥ぎもやってほしいとの事(木地状態まで塗装を完全に剥がす事)。予算の関係もあり少しでもリーズナブルな金額にできないかと思い(オーナー様の了解を得て)塗装は塗装専門業者さんへ「外注」にしました。

塗装ブースが出来てから今まで一度も「外注」という事はしませんでした。外注に出すという発想もなかった。ところが最近は考えが柔らかくなったというか歳をとったのか(笑)、白や黒、赤など完全な「つぶし色」、ポリ塗装、デタッチャブルのボディ(アーチトップ以外)という一定の条件をみたすケースであれば外注に出してもいいんじゃないか?という考えに。ただし、やはり私自身が塗装するのと外注とでは、外注塗装のほうが比較的(塗装が)厚め、コテ盛りになります。
勿論、必ずお客様へその旨を伝えお客様自身に選択していただきます。某店のように自分の所でやってもいない作業を「自分のところで施工しました!」と嘘をつくような商売は天地がひっくり返ってもしない。

そういえば昨年はゴーストライター事件がありましたよね。ホント恥ずかしいというか、ダメ人間というか・・・。実際に作曲していた新○氏がTVでピアノ演奏していたのを観たが素晴らしい演奏でした。しかも終わった後に満足そうにうかべた微笑みがいい!あれを観た時に「この人は長年の呪縛から解放されたんだな」と思いました。

話しが逸れたが・・・・

上の画像は塗装業者から完成品が納品、それを#1000位で水研ぎしたところ。

ちなみに、業者さんから納品されたままの状態ではネックポケットやコンパネの段差などに塗装が"てんこ盛り"なっています。これを綺麗に落としていく・ペーパーで削る作業が必要ですが、これまた慣れてないと非常に難しく、ユーザーさん自身でやるのはちょっと不可能。ちょっとした加減や勢いで「塗装欠け」など取り返しのつかない状態になります。

 

 

さて、いよいよデカール貼り作業ですが、まず位置決めをしなければならない。プリンターでトレペ用紙にデザイン外周線のみをプリントアウトして、カッターでカット、マスキングテープでボディへ「雑誌等の画像・資料を参考に」位置を決めて貼ります。

→→

このように位置を決めて貼っていきます↓↓↓

←→

 

 

←位置決めして貼り付けたトレペの下にカーボン紙を敷く。

実際の線より少し内側に、要所要所、目安程度に書く→

 

←黒色ボディでもこのようにある程度見える

 

文字の部分も↓↓↓このように

  
はみ出してしまった部分や余計な圧力で写ってしまった部分などは、細かいペーパーで丁寧に落とす↑↑↑ とくに白は汚れが目立つので要注意。

 

すべて書き終えたところ

 


 

作ってみた・・・

年末(この記事を書いている時期)のこの忙しい時期に余計な事をしているからさらに時間がなくなる。

すでに10年ほど着用し続けていたエプロンがついに「もうダメっす、こ、これ以上は無理っす」と悲鳴をあげていた。

楽器メーカーや問屋さんから頂いたメーカーロゴ入りのエプロンだったが仕方なく廃棄。

     

真っ黒じゃ面白くないので当方のロゴ入りに。プリンター用の用紙は本当にいろいろな用途の物が売られているもんだ。

どうでしょう

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いざデカール貼り! ドキドキ・・・・これだけ広範囲に渡るデカール貼りは初めての経験です。

  
切り取り・・・・↑↑ そっと水に浸けてから皿の縁にあげてしばし待つ・・・ 台紙ごと移動させズルズルっと貼る場所へ乗せる

 

動画で観てみましょう

 

昨年iPhoneのOSがアップデートした際に標準カメラ機能の中にタイムラプスが装備されましたよね。さっそく使ってみました。
なかなかいい感じ。

*じつはこのデカール貼り、失敗し一度やり直しました。貼り終えたまでは良かったのですが、クリア/トップコートを"しぶめ・薄め"に吹いたところ、所々でデカールが浮いてきてしまいました。ようはそのままでは「粘着力・ノリ」が弱く、クリアを上塗りしていくとそれら塗料の乾燥に伴い、引っ張られ剥がれて(浮いて)しまうのです。
デカールは万一の事を考え予備を頼んでいましたから助かりました。


そして・・・・
解決策はプラモデル用デカールに使うこの製品。Mr.マークセッターというらしい。ネットで調べるとデカールを曲面に貼る時にはシワなどが出来、ピッタリ貼る事が難しいらしい。そのためMr.マークソフターという軟化剤を使うらしいがこれは文字どおり「軟化剤」だけの成分。今回使用したMr.マークセッターは「弱めの軟化剤+接着剤」という成分構成らしい。
デカールを貼る場所へこれをたっぷり塗っておき、デカール貼りをもう一度やり直しました。

 

2本とも仲良く完成

  

←黒ボディのほうはこうしたノリの痕などが目立つが、この後にトップコートを吹いて・塗っていくと、こうした痕は見えなくなります。

 

*Mr.マークセッターを使用したおかげで、上塗り塗装工程でデカールは浮いたり剥がれたりする事なくうまくいきました。

トップコートを塗り終えて乾燥まで完了したところ↑↑これから水研ぎ作業に入ります。

最後にひとつ考察・・・・下図参照
気づいた方もいると思いますが、水貼りデカールを貼った部分は「塗装と塗装」の密着部分より少し弱いはず。もし今回のデザイン(一つのパーツの大きさが)がもっと大きかったら・・・・密着が弱い面積がかなり広くなる結果に。そうなるとこの「水貼りデカール方法」は使えないかもしれませんね。水貼りではなく、もっと粘着力のあるいわゆるシールのような物を製作して対象物に貼るとか。実際にそのような方法でグラフィックデザインされているギターも数多くあります。

 

水研ぎ前の塗装表面↓↓(いわゆる吹きっぱなし状態)       ↓↓水研ぎ後、バフィングまで行った表面
→→

上の両者画像↑↑あきらかに違いが分かると思います。塗装した状態のままだとブツブツ感が残ってしまうんですね。

 


 

 

ようやく完成です。

  
*ボリュームノブはオーナー様ご自身でご購入、取り付けるので無し

  

  

 

せっかくだからもう一度 お預かりした時の状態を見てみましょうか・・・・
  

 

 

さて今回の水貼りデカール製作・貼り、お楽しみいただけましたか?


こうしたデカールを業者さんへ依頼する時は先方が指定するルールに則った「データ作り」をしなければなりません。私の場合はアドビイラストレーターという代表的なソフトをかれこれ20年近く使ってきているので、操作も慣れ、機能も熟知しています。

もしこの記事をご覧になった方がいきなりデータ作成・デザイン作成をしようとしてもイラストレーターをそれなりに使いこなしていないと無理でしょう。デカール製作業者さんでは「不完全なデザイン、データでも送っていただければこちらで訂正・修正します」と言っていたが、やはりそうした手間が増えると見積もり金額も高くなります(まあ当然ですよね)。

今回作成・入稿したデータはほぼ修正する必要が無い(だろう)完璧な状態でデータ入稿したので余計な金額はかからなかった(はず)。

    

逆に先方さんが気をきかせて2ページでも紹介した↑↑↑↑「ニス層」青色線範囲を(最終確認段階で)「B」のようにしてくれたが、始めにちゃんと伝えておけばよかった、「A」でOKですと。プラモデル用など小さいデカールだとニス層は「B」のようにするのが普通で、そうしたほうが文字の隊列が崩れなくて貼りやすい。今回はデカール一つ一つがでかいのと、ニス層=透明とはいえ上塗りしてもうっすら分かってしまう危険性から「A」にしました。

今年はプラモデルでも作ってみようかな

<それでは皆さん2015年もZinギター工房をよろしくお願いいたします>

 

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