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2016.03.25. ----2ページ目----- PAGE
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オーナー様とのご相談で、トップ板の合板(5層)表層が0.5mm、木地着色である可能性大、製造段階でのペーパー残しキズも多数、という事も考慮し、バインディング交換後の最終的な色はつぶしの「黒」に決定。
まずはフレット抜き・・・
塗装を剥がしてからバインディングを剥がしますが、その前にバインディングの構造や厚みなどを調べるために適当な部分を剥がしてチェックします。
←取り外した、剥がしたバインディング&パーフリングをノギスで測り、メモしておきます。バインディング素材だけでなく、ボディ側のバインディング「溝」も必ずチェック。細かな数値は新しいバインディングを接着する工程でまたあらためて詳しく書きます。
さてさて、オリジナルのテイルピースは↑このようなデザイン。金属パーツ類も錆びていたので
オーナー様ご自身で「メッキ屋」さんを探してメッキ依頼する事に。ところが・・・・
*以下はオーナー様から聞いた話しです。
メッキ屋さんいわく、テイルピースの材質は亜鉛ダイキャストで、メッキをするには前処理として塩酸に浸すのだとか。酸洗いという工程だそうで、材質が「亜鉛ダイキャスト」だと塩酸にすぐに反応してしまい表面が荒れて、溶けてしまうそうです。それでも荒れを最小限に抑えてやってくれるという事で待っていたら・・・・・原形を留めないほど溶けてしまい使い物にならなくなってしまったそうです。
「それは本当に残念でしたね・・・・」となり、じゃあ一般的なテイルピースを使うか、とはめ込んでみようとしたら↓
れれ??はまらない。
←よく見てみるとトップ面に対してずいぶん傾いているじゃないですか。
これでははまらないのも当たり前。という事で急遽テイルピース交換(スタッドアンカー部分)も行う事に。
おそらくオリジナルのテイルピースは左右の切り掻き部分が多少幅広だったのでしょう。いま思えば「ロックされてる?」と感じるほど取り外しは固かった記憶が・・・
かなり固く、軽く接着もされていたようですが、なんとか外す事ができました。
穴をいったん埋めて、もう一度開け直してから新しいスタッド埋め→→無事スムーズに取付可能な状態に↓↓
→→
因みに、オーナー様の拘りもありゴトーのGE101A、アルミ製をチョイス!テイルピースはアルミ製の軽いものに交換すると得てしてサウンドは良い方向に変わりますよね。
スタッドをボディに対して垂直に開けるにはかなり苦労しました。このギターはセミアコなので当然バック面もアーチ。ボール盤で開けるにも、ボディの固定方法をいろいろと工夫しないとなりませんでした。
休憩
嫁さんには内緒だが・・・
最近キャンピングカーやトラベルトレーラー、ルーフテントといったものに興味津々である。
私が山好きなのはご存じかと思うが、登山は朝5時〜6時くらいから登り始めたりする。そうなるとチョット遠いお山に行く場合、夜中の2時とかに自宅を出発しなければいけない。じゃあ、前日の夕方ごろ出発して前泊してしまえ、という事で最近はよく車中泊をします。
プリウスのリヤシートは倒すとけっこうフラットで広い面積が得られます。
171cmの私の身長で、前席シートの背面に頭が付くほどギリギリ、足下の空間はほとんど余裕がなく快適とはほど遠い。
ご飯を食べるにしてもこの状態でマットを敷き、その上にあぐらをかいて座ると首を曲げないとならず、結局起きたらリヤシートを戻して朝ごはんやらを食べます。
どうにか解決策はないものかと「ハッ」と気づいたのがキャンピングカー。
↓
でもそうそう簡単に手を出せる金額ではなく、4〜600万もしてしまう。たとえ買い換えたとしてもこの車で普段乗りはちょっとね。
却下・・・
(バンタイプなどいろいろあるがやはりお値段はそれなりにしてしまう)
↓
調べてたらキャンピングトレーラー(トラベルトレーラー)なるものもあるんですね。
750kg以下のものは牽引免許が必要なく、普通免許さえ持っていれば大丈夫だとか。しかもお値段は180〜250万円と、これなら十分に検討できる範囲じゃないか!
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これいいじゃん!必要な時だけ持っていけばいいから、普段乗りとして今までどおり車は使えるし。
でもコイツを置いておく駐車場はどうするの?・・・・
却下
↓
↓という事で今のところ考えが落ち着いたのがコレ↓
ルーフテント!
国内ブランドの物もありますが、これは海外製品です。使わない時は(畳んでいる時は)あたかもちょっとでかいルーフボックスを載せているように見える事。今まで意識した事はありませんが、思い返せば街中で妙に"でっかい"ルーフボックスを載せてるな〜と思った事はありました。いま思えば、それはきっと「ルーフテント」だったのでは?と思います。
まあそんな感じで日夜情報を集めている最中ですが、嫁さんに何も言わず、いきなりプリウスに取り付けてきたら、怒るだろうな〜
殺されるだろうな〜・・・・・
きっとザキの呪文で即死だろうな〜・・・・・
気を取り直して塗装剥がしです。
このギターの場合、所々剥がしにくい部分もあるものの、パレットナイフを差し込むとわりといい感じに剥がれていってくれます。
塗装を剥がすと製造時のサンドペーパー残り痕がよく見えます。とくに木地着色を行うと見逃していた"キズ"がパッと浮き上がって見えてくるので、その段階で初めて「しまった〜、やり残しがあった〜」と後悔する事も稀に・・・
木地着色は杢目(トラ目、キルテッド、etc)をより強調させたい時に良い色付け方法ですよね。でも同時に木地調整が甘かったりすると、残ったペーパーキズも浮き出てしまいこのような結果に。
剥がしにくいところはヒートガンで熱風を当ててからパレットナイフで剥がします。
あまり長く当てると木材や接着剤に影響しますから、あくまで塗装面だけ軟化したら必要以上に熱風を当てるのは避けましょう。
トップ面も同じく・・・
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トップ面 終了
全体がブラウン色で木地着色されている事がよく分かります。
続いてバック面も・・・
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剥がしていて気づいたんですが、通常はサンバーストなどを吹く時は「下地層と上地層の中間」つまり色層で吹きます(サンバーストに限らず色は中間層に吹く事が多い)。ところがこのアイバニーズは木地着色で茶色→そのあとにすぐ黒色吹き→下地(サンディングシーラー)→上地(トップコート)、となってます。
*当然シーラー吹きも行っているはずですが説明は省略。
最後にネック部分です。
←シリアルNoの部分はとりあえずこのように・・・
ここでしばら〜〜〜〜く考えました。
当初の予定ではシリアルナンバーを中心に塗装を残すかたちで作業する予定でした。ところが、ここまでの塗装剥がし作業を考えると、かなりスムーズにパレットナイフが入り綺麗に剥がせます。
もしかしたら、もしかして、このまま慎重にパレットナイフを挿せば、塗装ごと綺麗に剥がせるんじゃない?剥がした部分は再塗装に入る前に接着して、そのまま塗装で封じ込めてしまえば・・・・なんて考えた。
そして賭けに出ました。そ〜っと、そ〜っと、ね。
→→
↑↑そうしたら見事にパリッと剥がれた!
剥がしたあとにヘッド側を見てみるとどうやら刻印によって木材自体を凹ませ、その凹んでいる部分に何か樹脂か木工パテのようなものを充填させて仕上げているらしい事が分かりました。
おそらく茶色の木地着→黒色サンバースト→刻印→凹んだ溝へパテ→わずかにはみ出したパテを研磨・除去、と推測。
←ヘッドの表面はここまで剥がして終了。
アイバニーズのロゴ部分だけ残す理由はあとで説明。今回の修理ではこのロゴも貝で作り直します。
>>>では塗装剥がし作業を動画でどうぞ<<<
3ページ目はバインディング&パーフリング剥がしです。
2016.03.25. ----2ページ目----- PAGE
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