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さて、いざ「擦って、吸って~、刷って~」をしていきます。リペアマンにより使用する「武器」?は様々ですが、私はずっとこのような単なる四角いブロックを愛用しています。素材はパドゥークです。堅く、削り粉が真っ赤で、吸い込むと鼻がツーンとします。
大、小かかわらず、「当て木ブロック」に関しては 必ず使用する前に毎回、平面 がきちんとでているか確認します(平面のチェックは、背面から光りを当ててやるとよく分かります)もし平面 が狂っていたら右のような厚さ10ミリほどの「ガラス板」を使い、その上にペーパー(粗め)をのせ平面 をだしていきます。なぜガラスかというと、ガラスは極めて正確に平面がでているから。又、湿度などの影響で反るような事がないので(たぶん・・・分子レベルでは知らん)。この位 の大きさで、10ミリ厚のガラスというのはたぶんどこかで作ってもらわないと手に入らないと思います(かなり前なので作ってもらった業者は忘れました。もし割れたらどうしよう~)。1枚あるとなにかと便利ですよ。まあ平面 が出てるものであれば何でも良いのですが・・・・・
私の場合、だいたい#800くらいの番手から行います。ブロックにキッチリとつけます。この時、両面 テープでペーパーを固定してはいけません。なぜなら両面テープの厚み分だけ平面 が狂うからです。
*注記:現在は#1000から
左の写真ではまるでネックに対して直角に向き合って作業してるようですが(デジカメで撮るためです)、作業する時は極力ネックと平行して体をとり、擦っていきます。カンナで木を削るのと同じスタイルですね。右の写 真にすり合わせの最中にフレットの上が揃っているかの確認に使う定規が写ってます。まずステンレス製の30センチ定規、それから小さな、大、小、二つのスコヤです。
基本的には「少し擦ってはチェックして・・・・」の繰り返しですが、今回のように指板面 (木)の段階でしっかりと直線を出していれば、 ほんの数回なでるくらいで揃います。フレットにまだ高さの余裕があり、よく押さえる部分で部分的なへこみ(減り)があるフレットは、演奏上、本人がそのへこんだ部分を弾いた時に「ビビリ音」もしくは「違和感」を感じるようであれば、すり合わせ時です。この場合のすり合わせはへこみをなくす(目立たなく)させる事&フレットの頭を揃える事ですから、へこみ分だけ擦って(削って?)いかなければなりません。
指板修整の時にきちんと直線を出していないと、その後のフレット打ち&擦りはまったく意味がありません。これは家を建てる時と同じですね。土台が不安定なのにその上にいくらしっかりした家をたてても意味がない、というのと同じです。これは塗装にも共通 です。フレットが揃ったかどうか確かめるには下の写真のように(別のネックの写 真です)定規をあてて、背面から光りを照らすと低い部分などの隙間から光りがさすので分かりやすいです。3~4種類の長さの定規を使い、フレットのローからハイまで全体的に、ハイのみなど部分的に細かく、さらに各弦の場所ごとに、丹念によ~く見落としがないか、と、この先は文章ではとても・・・・。
これが全体図。(別 のネック写真)
*注記:現在は確認用の定規としてステンレス定規は使用していません。より精度が高い定規を使用。
よく持ち込まれるパターンが「部分的なへこみが多少気になってきた(視覚的に)。これはなにか支障があるのでは?」という事で、すり合わせをしてくれと持ち込まれる方です。私は、基本的に先に書いたように、本人が演奏上とくに不具合を感じなければ、あえてすり合わせをする必要はないと思います。(よく弾いているからこそ、へこみが出てくる、「俺は毎日弾きた・お・し・て・る・ぜ~!イエ~イ」くらいの気持ちでいいのでは・・・・今までの経験として、ギターのヨゴレ等にあまり気をかけない(と言うと聞こえが悪いが)、楽器の技術的な面 はぜんぜん分からん、でもバンドマンでバリバリ弾いている人!ほど感覚的・直感的に自分のギターの調子がすぐ分かる人が多いです(そのとおりだ)。そういう方はあきらかに不具合が出てから、初めてお店に持ち込まれるのでこちらとしても(イロイロな意味で)対応がしやすいですね。)
始めのほうで言うのを忘れましたが、「ブロックは平坦なのにフレットにはアールがついてるよ」と思われた方、リペアマンにより使用する武器は様々です。ようは自分のチョイスした武器に慣れること。あとは経験(数)と技術です。といってもやはりビミョ~な「カクカク」(図)は残るので、今度は右下の写 真のようにかる~く撫でます。この作業はあくまで「カクカク」をとるのが目的です。(この作業に、逆アールがついた当て木ブロックを使う方もいます)この作業までに完全にフレットは揃えておきます。
なんだか、どら焼きみたいな絵ですね。腹がへったので次へ・・・・・・
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