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だいぶ暖かくなってきましたね。*この記事を書いているのは4月初旬
この時季は気温が上がり湿度も増える事から「ネックが逆反りしてしまった!」というご相談が多いのも毎年恒例
エレキギターの場合、弦高に変化を感じたらネックが順・逆どちらかに変化した可能性が高いので慌てず騒がず、元通りネックを真っ直ぐにしてあげれば、おかしくなる前の正常な状態に戻るのでヘタに弦高など自分でいじらないよう気をつけましょう。
さて今回ご紹介するのはバインディング&パーフリングの剥がれです。ものは1988年製MARTIN OOO-45、Dの"45"はよく見かけますけどOOO-45ってあまり見かけませんよね。
まずは初めの状態から・・・ヘッドのバインディングは完全に剥がれてます。
次に、バインディング剥がれで一番多い箇所、"くびれ"部分。なぜかというと、バインディング素材自体が経年変化によって「縮む」のでこのように"くびれ"部が剥がれやすいんですね。「剥がれたらチョイチョイっと接着すればいいじゃん」と言われるかもしれませんがそうは問屋が卸さない。 原因がバインディングの「縮み」によるものなので、単に圧着・接着しようとしてもピッタリ接着できません。そもそも長さが足りない・・・
↑ トップの左右に ↑
↓ バックの左右も ↓
↑↑バックはパーフリングの「貝」も欠損しています。
バインディング剥がれは、剥がれている箇所だけではなく、ほぼ全域にわたり接着剤が劣化・弱まっているので、指で軽くつまむだけでいとも簡単に剥がれていくケースが多いです。
←エンドピン穴のこの部分も浮いている。名前忘れた・・・なんだっけ?・・・・・・英語では「End trim strip」だそうだ。エンドキャップだっけ?まあいいや・・・
さて全体をくまなくチェックしましたが前述したようにほぼ全域・いたる所でパーフリング・貝などが今にもポロポロといきそうな状態。その旨をお客様にはお伝えし、仮に今回部分的に接着しても後から後から剥がれてくるので「イタチごっこ」です、と。最終的に導き出した修理方法は側板&裏板の塗装をすべて再塗装する方向で、バインディングをいったん完全に剥がして再接着する方法にしました。
*もしこれが、ここまでひどくなく、他はわりとしっかり接着されているようであれば、"くびれ"部分でバインディングを「カット・切る」して接着、後にできた隙間にはエポキシで埋め、完成となります。塗装はしません。
とりあえずヘッドのバインディングからいきましょう。
かなり綺麗に剥がれています。剥がれたバインディングをあてがってみると「長さ」は足りないものの問題なくピッタリ収まります。このバインディングは以前に一度剥がれて折れたらしく途中で接着してありました。
←接着前の準備。接着剤のカスなど、溝を綺麗にさらいます。
余計な所に接着剤が付着しないようマスキングテープを丁寧に貼っていきます。
固定用のマスキングテープはすぐに貼れるよう何枚も事前に用意↓↓
接着剤はアロンを使います↓↓
6弦側から接着開始。バインディング長さが「短く」なっているので、最後、1弦側は隙間が空きます。その処置は後のページで・・・
膨らみやすい部分↓↓密着しにくい部分はクランプを使ってしっかり密着させます。
はい、マスキングを剥がしてひとまず完成。隙間はあとでエポキシで充填します。
ところで
バインディングの接着作業を行うと、指先が必ずこうなる・・・・
まあ放っておけば自然に剥がれるからいいや、と呑気に考えていると・・・
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あぁぁ・・・・・・・
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