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皆様たいへんご無沙汰しております。
10ヶ月ぶりの修理記事のアップでございます。これを書いている日付は10月12日(土曜)昼 お外は・・・・こんな感じ。
問い合わせの電話無し、来客予定無し・・・聞こえてくるのは「これから本番だぞ」というチョ〜大型台風19号「ハギビス」の足音。何にも邪魔されずこういう事務仕事がはかどります。
10ヶ月ものあいだ何をしてたんだって? そうですね〜、イロイロと研究・開発に没頭しており、正直なところ修理内容の「ネタ切れ」感は否めない。よほど大きな修理でないかぎり既にアップした内容が多いので。
さて今回の修理はKamakaのウクレレです。
オーナー様いわく1967年製(らしい)。。。そして持ち主はなんと御年91歳。もちろんこのウクレレも当時新品で購入したとの事。
このウクレレは数年前にすみやグッディさんに出し、当方でお見積もりしたのですがその時はキャンセルに。今回たまたま部屋の掃除をしていたらこのウクレレが出てきて見積もり明細に書いてあった当方に直接ご連絡をいただいた、という次第。
各所でヒビ割れなどありますが、いちばん酷いのは↓↓テイルブロック接着剥がれ。
接着剥がれもそうなのですが、側板がかなり変形?真っ直ぐになってしまっています。
側板の厚みがこれだけ違います↑↑ ↑↑ヒビ割れもあります
所々で剥がれあり
さっそく修理スタート。
下の動画を観ていただけると分かりますが、接着剤の劣化、接着力がもうほとんど無いので、パレットナイフ等を射し込むだけでパリパリと簡単に剥がれていきます。音をよく聞いて下さいね。このミチミチ、パキパキ感・・・・
この部分がこれだけ"きてる"ということは、他の接着部分も総じてこれと同じ状況なのだろうと判断できます。パリパリと簡単に剥がれるとはいえ、勢い余って木材を裂く事がないよう気をつけましょう。
とくに苦労することなくバック板はオープン
休憩
親バカ
子育て、大変ですけど楽しいですね!双子なのでモノが「2倍、2倍」で増殖していく恐怖。
最近はビシッと正座!
正座は脚の成長にあまりよくないと聞くので普通に座ってくれればいいのに。
親バカ失礼。
この2年間、好きな映画鑑賞もろくにできず常に寝不足。何かネタになる映画話しでもしようかと思ったが、そんなネタも無い今日この頃。
内部のブレイシングですが、こちらも剥がれかけ多数。
全てのブレイシングはかろうじて接着されてはいるものの、パリパリ状態です。
ブレイシング接着の修理記事を書いた時にも言いましたが、パレットナイフでチェックする時は力をいれて「くっついている所も」意図的にあえて剥がします。
「なぜ?」わざわざ剥がさなくても・・・・・と思ったあなた。
パレットナイフを挿して力をいれただけですぐ剥がれる、という事は「接着力が弱い、接着剤が経年劣化している」という証拠です。そのままそっとしておき修理完成させたらどうなるでしょう。近い将来、そこが剥がれてくるのは想像できますよね。
こういった箇所はあえて「剥がして」接着し直したほうが安心です。
トップ板と側板の接着は状態をみて剥がすか否か判断しようと思ってましたが・・・同じくいとも簡単にパリパリ
テイルブロックは少しだけヒーターで温めてから剥がしました。
剥がしてから気づいたのですが、テイルブロックと側板の剥がれ・隙間には(このウクレレ製作時の接着剤ではない)妙に多めの接着剤の固まりが見て取れます。
このウクレレはブリッジ↓も以前に修理・接着された痕がある事から、もしかしたらこの時点でテイルブロック&側板の剥がれがあり、接着剤を流し込んだのかもしれません。そのように仮定すると、ここを剥がす時に一部だけ妙に接着力が強力だった事も説明がつきます。
せっかくなので、接着力を確かめるついでに剥がします。
ちなみにこのウクレレはハワイアンコア材ですね。ブレイシングにはスプルース材?が使われてます。
↑こちらのブレイシングは左右どちらか分からなくならないようLRを記しておきます。
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