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2019.10.23. ----3ページ目----- PAGE
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台風一過!
全国各地で河川が氾濫し深刻な被害をもたらした台風19号でしたが皆さんは大丈夫でしたか?
工房(兼自宅)はなんの被害もなくやり過ごせましたが、時折 風で家が揺れ、洗面台の排水溝の下には何かが・・・・・恐かった。
さあ、今回の修理でいちばん難儀した側板の「曲げ」を行います。
←用意するのはクッキングシート(シリコン加工)、ラバーヒーター、このウクレレの「表板&裏板」の形状を参考に作った当木、です。
アコギの製作をした経験がある人なら分かると思いますが、側板を曲げる時って板自体を水の中へジャボンと丸ごと入れて濡らしたり、スプレーでタップリと濡らしたりします。もちろんスチームが出る専用の「側板曲げ機」とかも(メーカーの工場など)あります。
楽器って湿気が多いのは良くない、適度な湿度で、とか言われるので、このGIF動画みたいにスプレーで濡らしている場面なんて見たら「え!?」って思う方もいらっしゃるのでは? 経験上、全然大丈夫です。
実際にこのように↑↑クランプをかけるまでは何回も試しにクランプがけして、側板の曲がり具合などをチェックしています。
ただ単にクランプをかけただけだと思ったとおりに曲がってくれません。
↑Aのような端材をかまして矢印の方向へ曲がるように工夫してます。
ラバーヒーターで熱をかけて一晩放置した結果が↓↓コチラ
結局、一発では思ったとおりの曲がり具合にならなかったので、2回熱をかけてボディ形状と同じ形に修正しました。
元の状態はこんな感じだが、違いが分かるかな・・・・→
ブレイシングの接着です。*ブリッジプレート
既に各パーツ、接着面などのお掃除は終わっているので、あとはひたすら接着していきます。
上の画像、もとの位置は赤点線のとおり。
←そのとおりに配置するとこうなりますが・・・・・・
表板のブリッジとの位置関係をチェックすると・・・・
これだけズレている事が分かります。
因みに、ブリッジサドルのオクターブ位置は合っていたので、以前に行ったであろうブリッジの再接着修理の時にブリッジ位置がズレたわけではなさそう。おそらく製作時段階でこの位置で接着されたものと判断。
別に悪く言うつもりはないのだが、長年この仕事をしていると、けっこう「いい加減だな〜」って思う「作り」は多い。ま、とくにウクレレは「お土産品レベル?」というモノも数多く見かけている(さすがに近年では見かけないが)。
何度も話しているが、日本人が作ると「なんとまあ綺麗に正確に作られているの」と感動する(アストリアスとかね)。でも不思議と、ウクレレはとくに「いい加減な作り」のほうが「良い味」を醸し出している事が多く、サウンドも好きかも(Kamakaとかねw)。
←これまたテイルブロック同様、しばら〜く考えました。
オリジナルを尊重するのは良い事です。「間違っている」と分かっていても、あえてその間違った状態を再現・修復するのも「当時のまま復元」という意味では正解だと思います。
ブリッジプレートの位置が違えば当然サウンドにも少なからず影響はあるでしょう・・・・私は適正な正しい位置へずらして接着しました。
これも経験からですが、何百という楽器、ウクレレを見てきて、ブリッジプレートというモノ(薄板)は、ほぼ99%必ずブリッジの真裏に配置してあります。なかにはブリッジよりかなり小さかったりするパターンもありますが、概ねブリッジとの位置関係は中央です。
リペアマンのなかにはオリジナルのままを大切にする方もいますので、あくまで私の中での「正解」で接着してます。
続いてその他のブレイスも接着
→→
長丁場になりそうだから休憩しましょう。
2年ほど前に、祖父の8ミリフィルムをデジタル化したのを紹介しました。
ちょうど記事をアップした年の暮れに101歳で大往生。今ではきっと天国から見守ってくれているでしょう。
祖母は御年91歳ですが、祖父が他界してから昨年我が家に引っ越してきました。
91歳ですがまだまだ頭もハッキリ、身体も元気で駅近の体操教室に通っているぐらいだ。
うちはもともと2世帯家族なので現在4世代同居という、バアバとヒイバア、ダブルで双子の遊び相手になってもらえるので
非常に助かっているw
その祖母の引っ越しの際「さて、この大量のアルバムをどうしようか」という問題が発生。爺ちゃんは8ミリも大量に保管していたが
カメラも大好きでアルバムにキチッと整理整頓・保管されていた。
既に8ミリフィルムを約1年半?かけてデジタル化した私にとって「ふ、今度は画像取り込みでしょ、余裕余裕やったろうじゃないか!」
と意気込んで引き受けた。が、しかし・・・・・その数は
ダンボール1箱にアルバム約18〜20冊
このダンボールがいまレンタル倉庫に約23箱くらいある。。。。。。単純計算で約420冊!!!
OMG!.........
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まずはこの大量のアルバムをどうやって効率よくスキャンしてデジタル化していくか考えた。
そこでいきついたのが 富士通のスキャナーScanSnap
「SV600」
というモノ。
雑誌とか写真を上から光を当てながら一気にスキャンする事ができるので、プリンタ一体型スキャナのような手間が無くなります。
これ非常に便利!
そして、アルバムNo.1をめくってみたところ現れた写真がまたすごい・・・・
明治37年!(西暦1904年)
え?ちょっとまてよ。2017年に祖父が101歳で他界したと言う事は・・・・・この写真は祖父が産まれる11〜12年前のモノ。
という事は、この写真に写っているのはおそらく祖父の父親か??
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今度、婆ちゃんに聞いてみよ〜
さあ、ようやく表板と側板の接着です。
まずはこのアコギ用のクランプをかけられるように工夫します。
適当な端材を使って浮かせる事でこのクランプをかける時に作業がしやすく。
通常、アコギを製作する段階では表板&裏板ともにある程度大きさに余裕があるサイズを側板へ接着し、あとからはみ出した部分をカットします。また、側板を「型」にはめながら作業するので、今回のような「修理の時」とは手順や方法が全く違います。
こんなやつですね↑
*あ、いまステュMacのカタログ見たら「型」を使わないで表裏の板を接着してる場面があった・・・
まあ製作家によってイロイロ。
今回のウクレレはどのようにしたかというと、4〜5段階に分けて接着していきました。
まずは↓表板の左右、くびれ部分(ブレイシング)のところまでを接着します。ブレイシング↓↓はまだ接着しません。
側板とピッタリ合うよう注意しながら接着します。勿論、事前に本番同様にクランプをかけて確かめておきます。はみ出した接着剤は濡れタオルで拭き取ります。
次にブレイシングの接着です。本来なら下記のような方法で接着↓↓してもいいのですが、ブリッジが出っぱっていますし、指板部分は浮いているので何か当木のようなものをしないとならない。
ということで↓こんな当木を作り接着。
ブレイシング剥がれ修理の時と同じ要領です。
パレットナイフで接着剤を入れていきます。
いや〜、鏡を見ながらサウンドホールから作業するのと違い、オープン修理だとラクですね〜
両サイドの端っこは↓↓このようにクランプ。これも事前に確かめておいてから本番接着。
←事前に本番同様にクランプがけして確かめるのはクランプがけする時の基本ですね。
因みに↓↓真ん中のクランプAはどのようになっているかというと・・・・・こうなってます↓↓
もう1本のブレイシングも接着しましょう↓↓
表板の約半分までの接着が完了です。
次のページではテイルブロックと残りの半分を接着していきます。
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