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>>>2020 謹賀新年<<<

あけましておめでとうございます!
2020年は「子年(ねどし)」ネズミさんチューチューの年ですよ。わたくし「年男(としおとこ)」です。

幼い子供達のためにもますます健康に気をつけバリバリ働かなきゃいかんと思う今日この頃ですが、2才4ヶ月ともなるとだいぶ記憶力や知恵もついてきてコチラの話す事も理解しているし、かなりしっかりとした足取りで歩き、走り回る。という事で今年は・・・・

ネズミーランド デビュー

 

しようかと計画しております。冬は厳しいから春先の暖かくなってきた頃がいちばん良さそうですね。

 

 

今回の内容はタイトルどおり「ヘッドが縦方向に真っ二つに割れた」ギターです。
「ネックヘッド折れ」の多くがこの画像のような「折れ方」↓↓ですよね。

 

ところがこのヤマハSG-1820の場合「縦に真っ二つ!!」なかなか見かけないレアな割れ方です。最初の状態を見ていきましょう。

 

見事な割れっぷり。

 

 

よくここまで綺麗に割れたな〜としばらく関心しながら見てしまいました。

  

  

 

 

さて、割れを詳細に見ていくと断面はこんな構造になっています。ヘッドのロゴがどういうふうになっているのかは、各メーカー・ブランドまたはそのモデルによっても違います。ヤマハの場合、このように薄い貝(約0.2~0.3mm)で作られたロゴを塗装の上に貼り、その上からトップコートを塗り重ねて、封じ込めてしまう方法が多いです。いわゆる螺鈿細工(漆塗りで封じ込める)と同じです。
「薄い貝」ではなく、水貼りデカール・シールを貼ってあるケースが最多ですが、いちばん手間が少なく安価なのだと思います。

図にすると↓↓こんな感じです。


一般的にサンディングシーラーとトップコートの中間に「色層」がきますが、このギターの「ヘッド表面」(のみ)に関しては
このような構造でした。

 


 

さて、どうやって修理するか考えなくてはなりません。実際の作業に取りかかる前に頭の中でシミュレーションするのが大切です。
補強材をどうするかなどは2ページ目で説明します。

  

まずは割れを合わせてぴったり合わさるかどうか確認。断面にできた"ささくれ"などで合わない時もあるので割れた断面もよく観察しましょう。小さなささくれは取り除いてもかまいません。この段階で木工接着剤は使えない、エポキシ樹脂にて接着すると判断。

←単に手の力で合わせるだけだとやはりかなりズレがあります。

 

エポキシ樹脂は粘度がサラサラなので、ギターを固定する際に水平器でチェックしてから固定。

  

ある程度粘度が高くなってからクランプ固定しますが、その粘度でも垂れてくるので注意が必要。

クランプを"どのように"かけるかも事前にチェック。

単純にクランプしただけだと↓↓けっこうな段差があります・・・・工夫しなければ。
  

 

左右からはもちろんだが、上下方向からもクランプし、その際に平面が出た当て木をします。

 

ここまでしても段差ができるのでハンマーでコンコンと叩いて位置調整(ぴったり元の位置に合わす)

  

 

 

他にもズレがないか要チェック・・・・・↓↓見つけた! ネック角度がつく部分、ナットの下あたりですね。

さてここはどうしよう、こうしましょう↓↓ 

  

ステュMacで売られている「Fingerboard Band Clamp」

本来の使い方は↑↑こうなんですが、イロイロな用途に使えて便利

 

 

さあ、ここまで入念に事前チェック(仮クランプがけ)したら本番。

 

システムスリーエポキシのクリヤーコートはかなり粘度が低いです。まずは粘度が低いうちに割れ面に塗布し十分染みこませます。

 

 

季節によっても違いますが、約3〜4時間するとだいぶ粘性が高くドロッとしてきます。

 

粘性が高すぎてもダメですし、適度な粘性になるまで待ったら今一度割れ面に塗布して合わせます。

  
欠けたバインディングも(クランプがけした最後に)ちゃんとくっつけます↑↑今回のケースでは幸運な事にバインディングの欠片は全て残っていました。

 

本番接着

以前にも話しましたが、エポキシの場合、強くクランプしすぎるのはダメ。必要最低限、密着する程度の力でクランプ。

 

完全硬化(72時間)したらクランプを外します。ヘッド表面の「突き板」など欠損していた部分はエポキシ樹脂で盛り、埋めます↓↓

  

 

ロゴはこんな感じ・・・

 

100%完璧にとはいかなかったものの、ほぼ完全に元どおりの位置で接着できました。

  

ヘッド裏側に定規をあててみましたが、これだけ平面が、段差なくしっかり接着できていれば上出来でしょう。

  

 

次のページでは補強材をどうするか。考えていきましょう。

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