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2020.8.1. ----7ページ目----- PAGE
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今回も長くなったがこのページで終わりにしましょう。
前ページで写しとったネックシェイプの型。コイツをまずはスキャン。
イラレに読み込ませて、1F,5F,11Fでのネック形状/断面を描き、下のように型を↓↓正確に位置させます。
そうすると黄色い線で表したように↑↑ 例えば5Fならネックの中心から11.8mm、端から10.5mm、というふうに数値が分かります。
赤の斜線はそれぞれおなじ角度です。
それをもとに↓↓このようにエンピツでネックへ書き込みます
もうなんとなく分かりましたかね? このようにしておくとただ漠然と削るより安全かつ正確にシェイプを成形していく事が可能です。
使用する道具はなんでもいいのですが、私のお気に入りは・・・・・・・コイツ↓↓
目詰まりもなく、削れる量も多く、削り始めの大まかなラフカット段階ではすごく使いやすいです。
何も一つの道具だけではありません。南京カンナを使う事も。
事前にイラストレーター上でここまで削っても大丈夫、というのが分かっているので安心して削れます。
1弦&6弦は、必ずペグを当てがい、本体形状をエンピツで書いておきます↓↓
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誤ってペグマウント範囲まで削らないようにするため→
小刀や南京カンナ、曲面カンナ、スクレイパーなどを駆使してどんどん削っていきます
→
→
→
→
ある程度まで成形できたら「型」を当てがいシェイプのチェック。
↑↑型が接している部分はまだ出っ張っているという証拠なので・・・・
このようにエンピツで記しを付けます↓
横線を書いて自分が「いまどこを削ったのか?」が分かるようにして進めるとうまくいきます↑↑ 仕上がりに近づけば近づくほど慎重に少しずつ作業を進め、基本的にこれの繰り返し・・・・・
最後はペーパーで凸凹感を無くし、滑らかにします
ペーパーのかけ方↑↑
ネックと平行方向にかけると、どうしてもカクカク感が取れません(取りづらい)。このようにかけると「曲面」を成形しやすいです。
*勿論、最後の木地調整ではスポンジパッドを使い「ネックと平行方向」にペーパーがけします
いちおうオリジナルと全くおなじ形状になった段階・・・・これから微妙な三角シェイプにしていきます。
↓
↓三角シェイプにできたところ↓
最後に全体を何度も触り、へんな凸凹がないかチェックすれば成形は完了。
ペーパーの番手を#240→#360と上げていき目視と触感、両方で入念にチェックして木地が滑らかに整えば完成です。
さあ、もう塗装工程が目前に迫ってきましたよ!
その前にレーザーで刻印でもしときましょうか。これオーナーさん知らないと思います↓フフ
取り付けるペグはスパーゼル。回転防止用の穴を開けます↓↓ 実際にマウントしてチェック↓↓
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フレットはステンレス。フリーダム製のフレットにしました。 最後の指板修正作業は割愛。
フレットを打ち、角っこをヤスリで丸めたら塗装へ。角っこの丸めは仕上げまで行いません。仕上げは塗装後です。
サンディングシーラー↓↓を吹き終えたところです。#360のペーパーで表面を綺麗に整えます。
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「着色」↑↑ アンバー色を吹いてオリジナルネックとおなじくらいの色合いにしていきます。
着色が済んだら、ロゴデカールを貼り、トップコートを吹き重ねていきます。
今回はヘッド表面以外の部分は全てサテンフィニッシュなので、水研ぎ後、ヘッド表面をマスキングしてからサテン塗料(トップコート)を吹く。その後、マスキングを剥がし、ヘッド表面をバフィングして完成となる。
最後にフレット摺り合わせ、角っこの丸め磨き処理など行い完成。
完成画像
最終的に弦高は1.2〜1.5mmに設定
*余談ですが、先日、弦高が高くなったという連絡を受け、チェックしてみるとネックが全く外れず微動だもしない。この部分は塗料が固着しないようワックスを塗布しているのでまずこんな事はおきないのだが、どうやらこの「梅雨」時期で木材が膨らみネックを締め付けているようでした。トップも膨らみ、それが原因で弦高も高くなっていた。
ネックポケットにシムを入れてネック角度調整する必要があるため、ネックが外せないと何もできない状態。そのため来年の1〜2月、乾燥する時期まで待ってからあらためてお預かりさせていただく事になりました。
↓隙間があるように見えるがこれはもとから・・・
6弦を親指で押さえるスタイルなので↑↑これもお客様の要望どおり
ヘッドもすごく小ぶりに
おつかれさまでした。長文お読みいただきありがとうございます。
昨今、ネックやボディ単体での製作&販売屋さんが多数ありますよね。とくに海外ではよく見かける気がする。しかもお値段もかなりお安く、5〜6万円で手に入るのではないでしょうか?
ただし今回のようにスケールの変更、ヘッド形状、ミリ単位で製作しないとならないケースだと、いわゆる一般的な「ストラト用」とか「テレキャス用」の汎用品では取付不可能です。設計もゼロからしないとならず、ワンオフ物です。したがってどうしても製作代は高くなってしまいますが、オーナー様のご要望どおりの「仕様」が実現できます。
それではまた!気が向いたら新しい修理記事をアップします。
さ、試乗でも行こかな〜
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