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さて、分解。

まずはピックアップとピックガードを取り外す。ご覧のとおり通常のポットではなく改造されてます。

  

ボリュームやトーンの配置変更(パーツ変更)なども行う予定だが、この時点ではまだ決定しておらず、完成までに決めましょう、という感じで先へ進みます。

 

←フレット抜き

ラバーヒーターで指板を剥がしていきます→

 

すでに剥がれかけているこの部分は簡単にパックリ・・・

 

指板を剥がす時は焦らず時間をかけてゆっくりと進めましょう。。。。事前に指板オイルを塗布しシットリとさせておく事も忘れずに。

  

 

>>1:指板剥がし<<

 

 


 

トラスロッドを締めていき、↓結果として内部の木材がつぶれ行き場を失った材がこのような盛り上がりを作った。

  


エンド側はとくに問題ないように思える。

  

←指板を剥がしてみるとフレット溝がネック材まで達している。バインディングが施してあるものは、通常のノコギリでは(バインディングが邪魔になり)溝をカットできない(深くできない)のでミニルーター/極小ドリル刃を使う。前回の修理でも「フレット脚の長さぶん」だけ必要最低限(約2.0mm)掘り直しました。
*ここで言う「掘り直し」とはフレット溝を綺麗に"さらう"という意味。

元の指板材は厚み4.5mm。という事は↑↑↑この画像のようにここまで深く掘られているのは「私の仕業」ではなく、このギターが私の手にかかる前、他の誰かによって行われた修理作業において掘られたと推測できます。

 

 

発掘作業

さて、ここからが大変。ナット溝用の小さなノミなどで少しずつ掘り起こしていく。ロッド発掘作業ですな。

 

すこしずつ顔を出してくるトラスロッド君。

→→

あれ?通常よりひとまわり太い?と思ったら、透明のラバーで覆われてました。

→→

 

←トラスロッドが完全に顔を出したら、ペンチやマイナスドライバなど、テコの原理を使ったりして、どうにかロッドを取り外さなきゃなりません。このギターの場合、エンド側の四角いワッシャはかなり食い込んで、しかも錆びています。このままではどうにもならないので、調整側からトントンしてやります。

トントントントン、、、、ではない。。。。。。

 

 

  
ロッド調整側から軽くトントン・・・・・・・・トントン・・・・・・・・・・トントントン・・・・↑↑

なかなか抜けず苦労したが、どうにか取っかかりが。

 

↓取り外せました↓

  

 

調整側はこんな感じ。


おそらく矢印のぶんだけ、木材が潰れて中へ食い込んでしまったのでしょう。
*この1年間で、ではなく製造段階から今までの長い年月の間に徐々に徐々に、という事。

 

>>>2:トラスロッド外し<<<

 

 


 

取り外したあと、トラスロッド溝の深さを測ってみたところほぼ同じ深さでした↓↓

  

  

トラスロッドの多くはフェンダー&Gibsonに代表されるように、湾曲させた状態でロッドが仕込まれてます。ところがこのJSモデルは湾曲させずに真っ直ぐ仕込まれているタイプでした。この仕込み方はわりと古い楽器に多く見かけます。

↓図にするとこんな感じ↓

 

スラックラインって知ってます?アウトドアスポーツの部類ですが、てきとうな間隔にある木と木をベルトで繋ぎ、そのベルトをピン!と張って、ちょうど綱渡りのように遊ぶもの。トランポリンみたいに跳ねる事もできるのですごい人だといろいろな技が。トラスロッドもこれと同じです。

湾曲させたロッド、今回のように真っ直ぐ仕込まれたロッド、どちらも一緒ですが、弦の張力によってネックが曲げられようとすると、内部に仕込まれたトラスロッド(鉄棒)をピン!と張り、それに耐えるようにします。あらかじめ湾曲させた状態で仕込まれているとそれが真っ直ぐになろうとして逆反り方向にネックが変化します。

 

 

とりあえず接着剤のカスなどをペーパーでかる〜く綺麗にしておきます。

 

今後のいろいろな作業、掘ったり埋めたり・・・のためには、しっかりとボディを固定しないとダメですが、私は昔から「その場」にある木っ端や当て木などを使って工夫、固定しています。

  

 

こんな場面を見られたら「プロなら早いとこステュMacの#5399買っとけよ」とツッコミがくるかもしれませんけど・・・・

今までずっとコレ無しでやってきたけど特に必要性を感じた事がなかったんだな〜。じつはこれを見よう見まねで自作した事もあったけど結局使わなくなった。弦の張力を再現して云々かんぬん、ってのは分かるんだけど、、、、

 

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