2017.6.21. ----3ページ目-----     PAGE 1 2 3 4 5 6 7

<<< REPAIRページ(修理記事一覧)へ戻る

 

かる〜く綺麗にならして、ギター本体もしっかり固定したら、掘ったり貼ったりです。

  

ヘッドの突き板が邪魔なので一段ゲタを↑↑履かせてから治具をセットします。もうお馴染みの光景ですよね↑↑

 

 

まずは元のトラスロッド溝を綺麗に"さらい"ます。

→→

→→

 

続いて埋木作り・・・

  
メイプル材は柾目を使用。

←ドラムサンダーで0.1〜0.2mm単位まで正確に厚みを削っていきます。

 

最後の微調整は手作業で整えます。

きつくもなく、緩くもなく、ちょ〜どいい感じで埋木が出し入れできるようにします。

 

BCRichの記事で書きましたが、埋木に何ヶ所かドリル穴を開けてあるのは接着剤の逃げ道のため。

  


こうする事で接着剤の逃げ道が出来、クランプしやすくなります。またA面も確実に密着します。

 

今回は↑↑こんな感じで逆さにしてクランプ。台、天板がしっかり直線が出ている事が前提です。
もし天板が反っていたら、ネックが反ったまま埋木が接着されてしまいます。

  

 

一晩おき、乾燥したらカンナで削っていきます。

 

ヘッドの突き板に近い部分は↓反り鉋を使ったり、最終的にはノミを使い削っていきます↓

  

←完成

 


 

BCリッチの記事では次に新しいロッド溝掘りでしたが、今回は「カーボン補強」を仕込むので、そのための準備です。


↓ネックのシェイプを型どります。↑

  

 

新トラスロッドを↓埋め込む溝寸法を書き、カーボンの寸法を測って・・・・・・↓

  

カーボンの寸法は3.2mm(1/8")× 9.5mm

実寸で↑↑カーボンを書き、埋める場所を位置決めします。
図のようにクリアランスを最低でも2.0mm以上はとるように。

 

鉛筆の線だけだと見づらいので↓線に沿ってマスキングテープを貼りました。先ほどと同じく底上げして治具をピタッ↓

→→

まずは1本目↓↓
→→

↑↑続いてもう片側も  

 

 

←カーボンロッドの表面はツルツルしているので、念のため粗めのペーパーでキズをつけてやります。よく塗装工程でも使う技ですが、こうする事で(塗料にしろエポキシにしろ)食いつきをよくする役目があります。

 

溝の内壁、カーボン、ともにアルコールなどで脱脂、よく拭いて準備完了です。

 

木工用タイトボンドとは違い、エポキシ樹脂での接着だとある程度余裕・空間・隙間があったほうが強固になります。言いかえれば、エポキシ樹脂"溜まり"のような部分があるほうが、対象物とピッタリ密着・圧着されているより強い接着力が得られます。

  

↑↑溝の深さもすこし深めにしています。 

 

いよいよエポキシ樹脂でカーボン埋めをしますが、↓その前に水平器でギター・ネック部分を平らに位置させます。

  

なぜかと言うと、使用するエポキシはかなりサラサラの粘度なので、傾いているとどちらか一方にエポキシが溜まったりあらぬ所にポタポタと垂れ落ちてしまったりと、あとで余計な苦労をする事になりかねません。

 

←当然ながらこの時点である程度正確な"平面・直線"が出ている事が大切

 

余計なところにエポキシが付着しないようにマスキングでカバーします。あとで削ればいいや、と思うでしょうが、固まったエポキシを削っていくのは結構手間がかかります。横着せずにしっかりとマスキングしてあげれば、後々、無駄な労力が削減できます。

  

圧着する必要はないので↑↑このようなバンドで軽く留めます。丸い棒は・・・・分かりますよね。

 

 

溝の内壁へ十分にエポキシを塗って。。。。

写真を取り忘れたが、カーボンロッドにもエポキシを塗ってから埋め込みます。

  
押さえつける木片はくっつかないように↑↑クッキングペーパーを1枚挟む。盛り上がるくらい十分にエポキシを足す。

 

>>3:カーボンロッド埋め<<

 

 

さてさて、私が昔から愛用しているこのエポキシは完全硬化まで72時間(3日間)を要します。

なのでチョット休暇をもらい遊びに行ってきます。

 


 

休暇

4月後半、立山・室堂へバックカントリースノーカイトに行ってきました。

立山は、カイトを始めた年に来たきり、かれこれ7年ぶりくらい。

当時はまだ登山もやっていない、ザック・装備は重い、体力は無い、板はショートで雪に沈む・・・・
カイト操作がようやく分かってきたくらいの初心者で「なんか面白そうだから」ってノリで行ったら
ケチョンケチョンにされて帰ってきた記憶がある。

その苦い想い出をふりかえりつつ、リベンジ成功。
初日は室堂ターミナル前で、微風でお散歩ていどにしか滑る事ができず。。。。翌日に期待。

お宿は雷鳥荘。二日目は雷鳥荘からいったん沢に滑り降り、沢沿いにハイクアップして一ノ越を目指す。
途中でカイトを広げたが安定した風が吹かず、一ノ越は断念して室堂へ戻る。

すこし休憩して室堂ターミナル前から浄土山へハイクアップして中腹までさしかかると・・・・・ちょうどいい風が安定して吹いていて
そこからカイトを広げ一気にトップへ!天然のリフト。頂上付近はまさに天国でみな思い思いに滑りたおし、大満足でした。

行きはガスガスで見えなかった「雪の大谷」。今年はいちばん高いところで19Mもの雪壁ができたそうです。
海外のスノーカイト動画とかだと↑↑こんなところをスパーン!と飛び越えるような場面がありますよね〜・・・

誰もがあんな事できるわけじゃなく、あれはプロ。私達は雪面をのんびり滑走してチョコっと飛ぶだけ。。。。

 

 


 

いや〜楽しかった。すっかり日焼けしてしまい、帰宅後お風呂に入るのが痛かったですが、いまはだいぶ落ち着いた。

さ〜て、エポキシも完全硬化した事だろうし先へ進めます。

 

#100くらいの粗めペーパーでガシガシとエポキシを削ります。マスキングテープまで達したらマスキングを剥がす↓

  

 

マスキングを剥がしたあとはネック材まで削りこんでしまわないよう慎重に。ネック材と面一になったら完了です。

  

 


いちおうこの段階でネックの状態をチェック。力を加えてみると明らかにネックが強くなった事が実感できます。

 

 

ヘッドの突き板がヒッジョ〜に邪魔だが、そこは我慢して、指板修正で使う治具で完璧な平面をだします。

 

Gibsonのフレット交換記事で紹介したが↓こうして鉛筆で線を書き削ると、凹凸が分かりやすい。

  

 

平面が確認できたら新しいトラスロッド用の溝をトリマーで掘ります。←両効きロッドです


中心線を書き  →            治具をセットして  →          掘る!

 

新トラスロッドを埋めてみてピッタリかどうか確認。
  

こちらはBCリッチの記事から転載→
このギターもこのようにピッタリにします。

 

←両端部分が微妙に出っぱるので金ヤスリで少し削りました。

 

これで仕込みは完璧!・・・・・でも新しい指板を製作しなくてはね。次のページでは指板製作を。

長くなりそうだ・・・

2017.6.21. ----3ページ目-----     PAGE 1 2 3 4 5 6 7

<<< REPAIRページ(修理記事一覧)へ戻る