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2018.3.2. ----1ページ目----- PAGE 1
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おはようございます。
昨日、3月1日は春の嵐が吹きましたね。いつもの服装で外に出たらモワッと暖かく・・・でも予報ではまた寒くなるみたいです。
花粉症のワタクシとしては時々ムズムズが襲ってくるなんとも歯がゆい季節です。毎年かならず2月中旬ごろに耳鼻咽喉科へいき、これまた毎年必ず同じお薬をいただいています。 それがコイツ・・・・
オロパタジンというお薬。本来は朝・夕 1錠ずつなのだが、私の場合不思議と2〜3日に1錠飲めば効く(場合が多い)。その事を耳鼻科の先生に伝えると、「そうですか・・・・それは随分と便利な体質ですね・・・」と苦笑いされた。そうだよな〜、医者からしてみれば来院してもらう回数が増えればそれだけ儲かるよね。
今回の修理はワーウィック(Warwick)の5弦ベースです。
現状をチェックしたところ、トラスロッドを限界まで回してもネックがまだまだかな〜り順反り。
しかも単純な順反りではなく、簡単に言えば「波打ち」のような、けっこう重傷かな? と言えるほどの状態です。
←ポジションマークは特徴的なデザイン。
ナットもアジャスタブルタイプが搭載されています。
ワーウィックのブラス製アジャスタブルナットは各弦のところがボルトになっていて個々の弦でそれぞれ高さ調整できましたよね?
この5弦ベースは外して触ってみた感じ・重さ的にもおそらくカーボン製かな??
と思って調べたらそうそう、これこれ↓↓
先日、某楽器店さんで写真を撮らせてもらったが、カーボン製↓ ブラス製↓と2つあるみたいです。
仕様が変わったのか、お店にあったワーウィックは全てこのタイプのナットが搭載されていました。
修理業だと新品を扱う事はあまりないのでもう随分前に仕様変更になってたのかもしれませんね・・・勉強になりました。
ところで・・・・通常のナットって↓こうですよね。
↓
↓
ワーウィックのナットは↓図にするとこんな構造なんですが。
"開放で"弾いた時に「弦の振動」がよく伝わるのはどちらでしょうか。
正直なところ物理学的に証明しろなんて難しいこと言われても、私にはよく分かりません・・・ただ経験的に
「通常のナット」のほうが接地面積が広く、また「合間に何も介さないので」アジャスタブルより「通常のナット」方式のほうが振動伝達率が良いと思うのですが。GibsonのJ-45 Adjustableとかを弾いていて感じるのは、通常のアコギブリッジ方式と比べて「音がスカスカ」です。
これらの事実からもアジャスタブルナットの利便性を取るか、振動の伝達率をとるか・・・・
ナット溝の高さを自由に変えられる・調整できるってすっご〜く便利なんですけどね〜
あ、だめだ、ナット交換依頼が無くなるから商売的にはアウト〜・・・・(冗談
←弦を外しロッドを完全に緩めると大まかにこんな状態に
と言うことで、レモンオイルで保湿してあげたあと↓ (かるく)アイロン修正をします。
画像では分かりませんが、大まかに、本当におお〜〜〜まかに真っ直ぐになった・・・(とは言えないかな〜)
というぐらい、波打ってます・・・・その理由が後々判明してくるのですが。。。。
この↓↓画像は修理中盤ですが(現時点での)だいたいの反り方を線で描いてみたもの。
1弦側と5弦側で反り方も全然違います。
毎回そうなのだが、お預かりしてチェック&お見積もりを出す段階である程度の作業手順は構築します。そうしないとどの程度の作業が必要なのかも判断できませんし。ただ、最初に「構築した」作業手順は、作業途中の段階でわりと変わってくるものです。
同じ内容の「修理」でも毎回おなじような作業手順になるとは限らず、臨機応変が必要です。このベースはまさにそれで、予想していたよりかなりの手間がかかる事になりました。
とりあえずナットを取り外します。
片側が破損してました。
コチラが↓↓1弦側 矢印の部分が折れてます。 5弦側は大丈夫↓↓
パレットナイフなどで台座部分を取り外します。 単純に接着されているだけ。
取り外してみて思ったんですが、↑↑接着剤の痕がありますよね・・・・・このナットはアジャスタブルなので本来この部分は接着されてはいけないはず。これは推測ですが、前述した「折れた部分」が影響してナットが不安定になると思ったリペアマンが、ナット高さ調整をし終えたあと、少量の接着剤で固定したのかもしれませんね。
事前調査・計測です。2Fと14F付近の「ネック握り形状」を自在定規(の中身)で計測、メモに書き写します。
この段階で新しく埋め込むトラスロッド、カーボン補強材の実寸を描いて↑↑ちゃんと収まるか確認します。「よ〜し、カーボンロッド用の溝を掘ろう〜」なんて気軽に掘ったら「貫通してしまった!?」なんて事にならないように。。。。まあ、よほど端っこに位置させないかぎりそんな事にはなりませんが。
↓今回の主役達です↓
両効きトラスロッド、カーボンファイバーロッド×2本
まあ、今回の内容、昨年にサイトへ載せた
Gibson JohnnySmithモデル
と同じなんですがね・・・・あっちはギター、こっちはベース。
また今回のケースでは(次のページでご紹介しますが)「開けてびっくり玉手箱」的な要素もあるのでお楽しみ。
これは私の事前チェックミス(見積もりチェック段階では気づかなかった)だったのですが、こうして磁石で↓内部の様子を調べる事ができます。調べると言っても、トラスロッドがどのあたりまで仕込んであるのか、などの大まかな位置程度ですが。
ところがね・・・・・・・ナットからス〜っと、フムフム。 →→→→11Fあたりまで来たら急に「うにっ!」と進路変更!?
しかもかなり強力にくっつくんですよ、この「うにっ!」って部分が。
なんじゃあこりゃ、と思ってよく調べてみると・・・・
どうやらこんな感じで既に補強材が仕込まれているようです↓
中央に位置するトラスロッドに対して、↑この補強材に吸い付く磁石の感覚からして、かなり太い金属(鉄)素材の補強材が仕込まれているものと推測しました。
磁石でチェックできる素材ならいいんですけど・・・・2ページ目へいく前に
余談ですが・・・
これは今から約10年ほど前におこなった↓↓ワーウィックの4弦ベース。おなじくロッド交換修理だった。
トラスロッドの調整部分は奥のほうから↑↑バッコリと破損して無くなっています。
指板を剥がすと薄いメイプル材でフタされた状態でトラスロッドが仕込まれてました。
なんでこのケースを紹介したかと言いますと、このトラスロッド「ALLアルミ製」なんです。そう、アルミって磁石にはくっつかないですよね。なので、たまたまオールアルミ製でできたトラスロッドにあたった場合は磁石では分かりません・・・・
トラスロッドの種類もイロイロとあり↓マーチンとかに採用されているトラスロッドは
「U-channel Truss Rod」
ってやつですが、これは3辺を囲うU字部分がアルミ製で、中の丸棒は鉄素材です。
気をつけよう、アルミトラスと マグネット
はい、では次のページから作業開始です。
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