02.00.00 ----5ページ目----- 005)PAGE 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17
前ページの続き。お店で楽器の販売の経験が10年以上(アルバイト時代も含め)ある私は、お客さんが購入の際にギターの試奏をするのを、長い間見てきた。でもこの10年でずいぶん変わった事がある。バンドブーム全盛の時代はギターの試奏をしにくる人にも「いかにも」って人が多かった。でてくるフレーズも「ロックのこぎみよいリズムのリフ」。ところが最近はアコースティックが流行のせいか、気合いのはいった奴がめっぽう少なくなった(悲しい・・・)。
たま~にメタリカのような16ビートをガンガンに弾きまくってくれる人がいるとスカッとします。それだけで値引きしてあげちゃう(かも)(笑)。世間一般 では「ヘヴィメタルが好きです」なんていうと、「あ~そういう人ね」って決めつけられる事が多い。が、四六時中この手の音楽を聴いているわけではない。私はギター、とくにテクニカルなものが好みなのでディメオラも好きだし、ジャズも好きだ。いろいろなジャンルを発掘している。あまりこの手の話をすると仕事の依頼が減るような気がしてきた・・・ので、深入りせずここまでにします。
続きに戻ります。裏板が開いたおかげでじっくりと中を調べられます。サウンドホールから電球を入れて鏡で見るのとは大違い!
サイドのリボンはこんなかんじで全てめくれています。まるでガビガビに乾いた昆布のような感触。テイルブロックもバックリいってます。
サイドの割れ防止のリボンはとりあえず全て剥がしました。ただしライニング材の下にもリボンが入り込んでいる為(図)「ズリズリ」と少しづつ引き抜くような感じでとります。取りきれないリボンの処理は後ほど・・・
続いてストラップピン穴のエンドトリムもなんなくパリッという感じで取れました(正確には今までの作業ですでに半分浮いていた)。なんだかこのギターはいたる所ポロポロと剥がれおちます。
このエンドトリムもあとであることに使うためとっておきます。
さあどんどん分解していきましょう。テイルブロックはストラップをかけたりと、かなり力が掛かるので元の割れたやつを再利用するわけにはいきません。これも剥がしましょう。下の写 真は上部?が取れた状態です。続いて下部?を剥がしてやります。
下部?は表板とも接着されているので(当たり前)まず側面側をすべて剥がしてやります。その後に下の写 真のようにアイロンを逆さにしてその上に水を含ませた布を敷き、トーンバー/ライニングなど余計な箇所を極力避けながらボディを乗っけて、右手にパレットナイフを持ち、表板とブロックの隙間に挿していきます。(なかなか言葉にすると大変ですね)最初の1発目の「食い込み」はなかなかパレットが入りにくいので小さな当て木などでブロックと表板を押し広げるような力を加えてやります。と、わりとすんなり挿せます。
となりが剥がし終えた下部?ブロックです。ん?今、気づきましたが写 真はボディを裏から見てる・・・という事はこれは上部のブロック?!
←剥がし終えたリボンとブロック。仲良くツーショット!
モーリスなどのギター製作工程を見ていると、高周波接着だかなんだかで接着してるそうだが、こういう「作る」のとは逆の工程のために接着剤の成分だけ軟化させてくれる「高周波接着剤軟化装置」みたいなもんがないのでしょうか?今の科学技術はスゴイ!たぶんどっかにあるんでしょうね・・・でもあったとしても1台、何十万もするんだろうな~、何百かな?・・・・・・・・・・・