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塗装剥がしだ!ここまで長かった・・・・でもまだまだ先はありますよ。

塗装を剥がすと同時にバインディングも木地面と面一になるよう削ります。

使用する番手は(私の場合)#100。ある程度木地が見えてきたら#150に切り替えてペーパーがけします。

  
↑↑塗装が残っているところがありますが、経年変化により平坦・平面ではなくなっているため、これ以上は研磨しません。もし完全に塗装を剥がすと合板ですから下層が露出してしまいます。またバインディングも削れてしまう事になるので。

  

←出てきた出てきた・・・・合板の下の層が。
ここは最初からこうでした。塗装を剥がしていって分かったのですが、さすがはGRETSCH、製造段階で既に合板の下層が露出してしまっていても「ノープロブレム」で完成〜出荷してますね。木地着色の「茶色」が残っている事が証拠です。

側面を全て剥がし終えたところ

続いてネック・・・・・ヘッド表面と・・・・・・・・・

  

作業中に欠けている所などが露出してきますが、それらはあとでまとめて処置します。今はとにかく全ての塗装を剥いでしまいましょう。

 

ボディのバインディングはまずスクレイパーで大まかに削ってしまいます。

  

ある程度塗装面まで面一になったらペーパーに切り替えて研磨

  

 

とその前に、大事な事を忘れていた。

色合わせ

全て剥がしてしまう前に、現段階で木地着色に使用する「染料」はどれを使えばいいのかチェック!

結果、ステュMacの「Red Mahogany」に決定!
他色と混合しなくても、これ1色でほぼ同じ色合いにできる事が分かりました。


色チェックの時はトップコートなどを一吹きして確かめましょうね。ツヤ消しとツヤ有りとでは色合いが違うように見えますから。

 


 

休憩

うちは金沢自然公園のふもとに位置しますが、ご覧のとおり徒歩圏内、歩いて15分です。

私が小学生の頃、金沢動物園はまだ工事中で、友達と一緒に、鉄塔の囲いフェンスを突破し、
工事中の動物園の柵をくぐり抜け、時に工事現場のおじちゃんに「コラッ!」と注意されながら、
山中にある「ひょうたん池」や山一つ超えた上郷の栄プールにも歩いて行ったりした。

 

先日、いつもとは違うコースにチャレンジ。普段は自然公園から鎌倉方面へ、見晴台でお弁当を食べて帰ってくるのですが
今日は氷取沢市民の森→尾根道をぐるっと周り見晴台へ。

  

いつもと違う風景が新鮮。本当にここは横浜市か?と疑いたくなるほど奥深い森林に入ったような錯覚をおこします。
1年前とは比べものにならないくらいガンガン歩くようになった子供達ですが、さすがにこのルートは2歳9ヶ月には長距離すぎた。
途中から抱っこ抱っこで、嫁さんと私、お互い12kgのウエイト背負って山岳トレーニング状態に。

そんな自然豊かなこの地域ですが、「瀬上市民の森」は開発計画が持ち上がっているそうですね。。。。。
1年くらい前に開発反対運動の署名もまわってきたので嫁さんが署名していました。

少子高齢化、人口減少が続いている日本で新たな開発なんて必要ないと思いますが・・・・

 


 

自然を満喫したところで再びこもりましょう!

スクレイパーで出っ張りを大まかに削ったあとはひたすらサンドペーパーでシャコシャコです。

  

 

剥がしていくと、出てきた出てきた、製造段階でのペーパー痕↓↓


これ、私が付けたキズではありませんよ。

前回ご紹介したアイバニーズでもそうでしたが、こういったペーパーがけの残り痕・キズはよく見かけます。

→→
キズを消すべく#150で研磨しますが、これは合板です。わずか1.2mmほどの薄板を削っているという事を忘れないように。

このようなアーチトップ&バックの構造で、しかもあまり精度が高いとは言えない時代&作りで有名なグレッチとくれば、場所によっては「非常に薄い部分」があるかもしれません。現に「側面」は下層が露出したまま「よし」として出荷しているくらいですから・・・

バック面
→→

トップ面
→→

 

 

全面を剥がし終えたら、細かな部分の修正作業に入ります。

  

木工パテで↓↓このような隙間(比較的おおきな隙間)を埋めていきます。

→→

エポキシ樹脂やアロンでもいいですが、埋める箇所に応じて使い分けます。

  

 

ヘッド表面、ここも↓アロンです。

  

部屋を暗くして、照明一つで目を皿のようにして時間をかけてじっくり一つずつ処置していきます。バインディングと木材との境目は、一見すると隙間がないように見えますが、実際は低粘度のアロンを塗布すると毛細管現象によってス〜ッと染みこんでいく箇所が多いです。怪しいかな?と思った部分は念のため塗布しておくと(埋めておくと)いいでしょう。

この作業を適当に済ませると(見落としがあると)、塗装段階で手間が増える事になるので要注意。

 

#240で「角の丸み」を付けます

→→

ジョイント部のところも丁寧に→

 

#240→#360とペーパーがけします

ただ漠然と研磨するのではなく、前のペーパー痕を消していくんだ、という気持ちが大切。
木目と平行にペーパーがけします。

#360まで完了したら指板修正を行います。フレットを打てる状態にまでしておく。

 

最後にもう一度入念にチェックして完了。

  

 


 

フレットを打ちましょう。

 

ゼロフレット、ゼロフレット用ナットに関して、ちょっと考察・・・・

おそらくリペアマンにより様々な意見があるかと思いますが、ゼロフレットの場合、ナットの役目は弦が左右にブレないため、弦と弦の間隔を保持するためのパーツとなります。では、左右にブレないためだけならナット溝の底面は弦と接触していなくてもいいの?と考えてしまいがちですが、そこはやはり下図のとおりちゃんと接触させたい。

Aが正常、というか私が正しいと思っているゼロフレット仕様においてのナット溝の在り方です。

Bは、弦の左右ブレはなく、目的を果たしていると思われがちですが、ナット溝底面からは完全に浮いています。ただしこのような状態は何度となく見てきているので、この状態でも問題無く楽器として使用できる事はできる。

そしてC、たまに見かけるのがコレ。一見すると正常に見えますが、じつはゼロフレットと同じ高さにナット溝が位置しているので、弦がゼロフレットに対して十分に圧力をかけられていない状態。結果、ゼロフレット部分で弦がブレてしまい微妙にシタールのようなサウンドが出ているケースです。

 

どうでしょう、構造が理解できたところで、ゼロフレット用のナット交換手順を紹介していきます。

←仮のゼロフレットを打ちます。ナットもある程度成形したものを取付

通常どおりナット溝を切っていきます→

←ゼロフレットにまで若干切り込むように弦溝を切ります。

 

この溝切りでは捨て弦、もしくは最終的にこのギターに張る弦(お客様の指定弦など)を当てがいながら溝を切ります。弦溝は実際に張る弦のゲージに合わせないといけませんので。
  

 

弦溝を切り終えたら仮のゼロフレットはお役御免なので抜きます。。。。そして新しいゼロフレットを打ちます↓↓
  

これでゼロフレット用ナットの製作は完了です。前述した図Aをよく見て・理解していれば、今の手順で図Aのように溝切りできる事が分かると思います。


最後にはみ出しているフレット端をヤスリで削り、適正な角度・傾斜を付けます。

 

では最後に「塗装剥がし」の工程を動画でご覧下さい

>>>003・塗装剥がし<<<

 

 

次のページから木地着色〜塗装に入ります! 今回はボリューミーだ・・・こんなにページ数が多くなろうとは。

 

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