2020.6.1. ----9ページ目-----     PAGE 1 2 3 4 5 6 7 8 9

<<< REPAIRページ(修理記事一覧)へ戻る

 

動画を撮る事に集中していたので、カメラで撮る事を忘れていたらしい・・・
作業の写真が一枚も見当たらない。

使うのは#1200水研ぎペーパーと#1500。

→→
1200番のほうが3倍くらい大変です。まず塗装面の凸凹を全て無くすのに、ひたすら研磨するので。
#1500は比較的ラク、1200のキズを全て1500にすればいいので、柔らかめのパッドで見落としがないよう研磨します。

*番手が粗い1000番からやればいいじゃないか、って思うかもしれませんが、#1000だとツヤ出しをしても1000番のペーパーキズが残る事が時々ある。結局、数をこなしていくうちに一番効率がよいのが1200→1500で落ち着いたというわけです。
勿論、バフィングマシーンの威力にもよるところが大きいと思います。数ある工房、おそらく使う番手なんてリペアマンにより様々でしょう。

>>>009・水研ぎ<<<

 

 


 

そして水研ぎの次はバフィング(ツヤだし作業)

>>>010・バフィング<<<


*動画の中で、使用しているコンパウンドはステュMacの「Mid」、とありますが誤りです。
正しくはドイツの「menzerna(メンツェルナ)」社製のコンパウンドです。

数年前にステュMacで、ColorTone Buffing Compoundsの「Medium」#0103を注文して届いたのがメンツェルナのコンパウンドでした。
最初は???と思ったが、使用した感じも同じで問題なかったので、あまり気にも留めなかった。。。

 

綺麗になりましたが、まだこれで完成ではない。細かな所を手作業でツヤだし。

 

 


 

←細かなツヤ出しはこれを使う。YAMAHAのピアノコンパウンド。
これが↑↑けっこう良い感じのお仕事をしてくれるのよ。勿論、使う布は普通の布ではなく「やわらか〜〜い」やつね。

納得のいくまでヌメッとツヤッとしたら、組み込み作業に入ります

 

 

前ページでご説明したとおり、トップコート3回吹きぶんしか塗料が乗ってないので、マスキングテープは簡単に剥がせます。

  

剥がしたあとの塗装のバリ↑↑はしっかり処理しておきましょう。  

 

各ネジ穴は「皿切り」処理。ネジをねじ込む時に塗装がパキッと割れるのを防ぐため必ず行います。

  
量産品はけっこう↑↑この処理をしていない事が多い。どうせ見えなくなるんだから塗装が欠けててもいいじゃん、的な考えだろう。

 

フレットの擦り合わせ、フレット端の丸め処理。          ナットの取付も行い

  

 

電装系パーツを組み込みます。ボディ裏が大きく空いているのでポットなどのパーツが組み込みやすい!

→→

以前にボディ裏が空いていないGRETSCHの電装系修理をした時は、ちゃぶ台ひっくり返してやろうかと思いました・・・

 

オリジナルは、↓↓この部分はビニールテープでグルグル巻きにされてました。それだとちょっと見た目にもなんなので、熱収縮チューブの馬鹿でかいやつでパコッとくるんでおきました。

←P.Uからの配線(プラス/マイナス)をハンダ付けする中間パーツ
ここはほとんど意味ないので、この部品を取り外し、直付けにしようかと悩みましたがオリジナルのままでいきました。

 

ミュート機構も元どおりに組み込む。

  

ペグもマウント→

 

私が昔から愛用しているフェルナンデスの「956」

これは↑おなじフェルの946と違い、研磨剤は入っていないので、メッキ加工された金属表面の汚れ落とし&保護には最適です。

いいですね、最後にこのプレートをヘッドにセットするこの瞬間・・・・・

  

弦を張って諸々の調整・修正を行えば完成です。
P.Uの高さが弦に近づきすぎたので微調整したり、ミュート機構が弦に当たる微妙な具合とか、組み込みもかなり時間がかかります。


 

完成!

  
↑↑前ページで分解・修理した一眼レフのK-S2で撮りました。レンズはマクロの単焦点。↑↑

↓↓修理前の状態 *色合いが違うのはカメラが違うため↓↓
  

 

 

さて、全9ページにもなってしまいました今回の修理記事。お楽しみいただけましたでしょうか。
アイバニーズのバインディング交換と比べて苦労したのは、やはり経年変化。バインディングの溝幅にしろ、基準となる平面がない事(側面の平面すら湾曲している)。なので、場面、場面で臨機応変の連続でした。

「修理」というものが楽器製作とはまた違った面白さがあるのは、こういった部分ですよね。同じ楽器、同じ修理内容でも個々によって創意工夫が必要だったり、毎回考える事があり、また勉強にもなります。

私は学生時代にESPで「楽器の製作」を主に学びましたが(勿論、カリキュラムにはリペアの授業もある)、同時に(ESPに入る前から)修理方法も楽器屋さんで働きながら独学で習得していきました。

製作の話しが出たので、次は「ネック製作」の記事でも書きたいと思う。フェンダーのアコギ(デタッチャブル)をGibsonスケールにしたいというご依頼を受け、画像を撮ってあるのでいつかご紹介したい。

 

おつかれさまでした

 

2020.6.1. ----9ページ目-----     PAGE 1 2 3 4 5 6 7 8 9

<<< REPAIRページ(修理記事一覧)へ戻る