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ネックに手をつけます。

オーナーさんが削ってしまった指板面を「指板修正」とおなじ方法で平らに修正していきます。指板エンド↓↓は支えましょう。

  

 

指板アールは14"R↓↓                      直線もしっかり出します↓↓
  

この段階では8〜9割方の精度で仕上げておきます(#150まででOK)。ネックとボディを接着後、塗装に入る前にフレットは打つので、その時に100%に仕上げます。

 

 

次はネックの塗装を剥がします。

そうそう矢印のヒビ割れ(というか接ぎ目)は低粘度アロンなどを浸透させます。このケースでは塗膜〜表層のわずかだったのでこのような処置で済みましたが、もっと奥深くまで接着剥がれがおきていたら、また他の処置も考えなくてはなりません。

 

けっこう濃いブラウンで色塗りされているのが分かります。塗装を剥がしていくとマホガニー本来の色が出てきました。  

ヘッドの表面はYAMAHAのマークがあるのでどうすべきか悩みましたが、お客様へ確認のうえ最終的にマークは消して仕上げました。
  

 

ボディ&ネックともに#150のペーパーまで行ったところ。#240→#360はネックとボディを接着する直前に。

 

 


 

休憩

 

3ページ目で、購入予定の新しい車へ搭載する予定のオモチャを紹介した。

実はすでに目的の「リン酸鉄リチウムイオンバッテリー」をポチっていたのだが、ようやくブツが届いたので紹介しよう。

 

約5万円↓

YouTubeで紹介されていた中華製のバッテリー。え?中国製・・・危なくない??
なんて思われる方もいると思う。私もそうでした。

*A○az○nでは7万円位ですが、AliExpressだと$500.00位。値段は販売元によってコロコロ変わるそうだ。。。
因みに私はAliのセール期間中に入手したので(送料無料)円で¥50754だった。以下にリンク貼っておきます。
*まだ輸入関税は来てないが来るのかな?まあ数千円でしょう。

AliExpress>>リン酸鉄リチウムイオンバッテリー
A○az○n>>リン酸鉄リチウムイオンバッテリー

ところがリチウムイオンにもいろんな種類があり「リン酸鉄」系のリチウムは安全性が高く発火しにくいとの事。
実際にリン酸鉄リチウムバッテリーに釘で穴を開けたり、水に浸けたりした動画があるのだが、全く問題無い。さらにそこまで傷め
つけても、ちゃんとバッテリーとして機能している(使える)という驚きの結果。

 

 

容量120Ahなので(12.8V×120Ah)1536Wh(ワットアワー)です。
1500Wのインバーターを使うと変換率80%位との事で1228Wh。12V→100Vに昇圧するとロスが出るという事。
単純計算で約100W消費電力の機器が12時間は使えるという計算に。

 

インバーターも動画で紹介されていたものと同じやつをポチった。


A○az○n>>インバーター    AliExpress>>インバーター

勿論、すべて嫁さんにはナイショである

YouTube動画でも意外な結果を公表していたが、バッテリーをほぼゼロまで使い切り(と言っても11.0Vを切る位まで)充電したところ
積算消費電力はなんと1770Whを表示していた。動画でも約1630Whと言ってたのに・・・・

 

因みに、バッテリーに付属の充電器(10A)はなんとなく動作が怪しく、3〜4時間までは150W位で連続充電されるのだが、その後は1〜2時間おきに充電が10〜20分間停止する(長い時は1時間)といった動作を繰り返して、結局フルになるまで21時間ほどかかりました(本来なら150Wで充電されてるなら計算上は約10〜11時間で満タンになるはず)。メーカーにも問い合わせてみたのだが、停止する理由は「バッテリーの各セルのバランスをとっているためBMSが働いている」との事。

 

 

結局、RENOGYのリン酸鉄リチウムイオンバッテリー専用充電器12V 20A(RBC20A1P)を購入してしまい
これを使用したら1770Wh充電するのに約6時間30分でした。*端子接続で充電
充電器の消費電力は280Wで一度も落ちる事無く最後までこのワット数を表示。

RENOGYのメーカー対応は素晴らしいです。メールでの問合せに対して敏速・丁寧に返信をいただきました。
そうした助言もありソーラーパネル&走行充電のシステムを組んだ時の配線図が完成。


注)実際の配線を行う際は自己責任でお願いします。Zinギター工房は一切の責任を負いません 。

 

バッテリーモニターの精度はあまりあてにならない(事が多い)ようで、RENOGYの100Ahのバッテリーならモニターを直で内部BMCに繋げる事ができるらしく、そのほうがバッテリー残量は正確という情報も。バッテリーもRENOGYにすれば良かったかな。。。

 

と言うことで、あたらしい車を購入するまでは、仕事しながらガンガンこのバッテリーを使い倒し、安全性など試しております。


この時期、非常に温かい・・・・

 

最後に、参考になった動画のご紹介↓
「ごっつチャンネル/GT-work」というチャンネル名で、バッテリーの紹介動画がコチラ
この方ホントすごい!自作でルーフテントまで作ってしまうし、コンパクトなギャレーとか、その創意工夫には感銘しました。

 


 

さあ、最後の難関。ダヴテイルジョイントの修正作業です!

あくまで私のやり方ですが、順序として、はじめに「A」部分を削りネックの仕込み角度を修正、次に「B」を修正しギュッと接着面がピッタリ密着するように仕上げていきます。

 

ボディ側、ネック側、ともに付着した接着剤のカスなどを除去し、サンドペーパーで綺麗にします。

  

 

ボディに接着される指板裏側は、必要最低限までの削りとし、このようにある程度残っていても良しとしました↓↓

 

このような木片↓↓があるのはよくある事です。マーチンのように紙きれが使われてなくて良かった。。。。あ、年代にもよると思いますよ。あとはたまたまその時に作業した人が・・・とかね。
* 決してマーチンの事を悪く言うつもりはありません。参考までにこんな事例も・・・

→→

木片も落としてペーパーがけ後にチェックするとこんな感じ

 

反対側はヒビ割れがあったのでしっかりと接着しておきます。
→→

 


 

すこし前後しますが、ピックガード&ブリッジも製作しておきます。詳細は割愛。

  
旧ピックガードを剥がし↑↑                   それを元に新ピックガードを製作↑↑

ブリッジも元の大きさを参考にイラレで製図しレーザー加工機で罫書き。
  

  

 


 

←まずはネックを仮に固定します↓
大抵はガバガバです。このケースでは矢印↑↑が接していますね。


ネックの左右も調整し、ステンレス定規などを指板端にあてがい、ボディの中心線から左右ともおなじ距離にします。

こうして確認すると左右でこれくらいの違い(隙間)がある事が確認できます。
  

 

ナット部へ↓↓1.0mm厚のプラ板を固定              ブリッジサドル部には2.0mm厚のプラ板を固定
  
フレットの高さは約1.0〜1.3mmです(今回打つ予定は高さ1.0mm)。したがってナット溝の高さも1.1mm程度になります。
いっぽうブリッジのプラ板2.0mm厚は何を意味するかというと、ブリッジ上面からサドルが出ている寸法です。この部分は最低でも2.0mm弱はほしいので仮にこのようなプラ板でブリッジサドルを再現しているという事。

 

ステンレス定規をあてがいます。勿論ネックは真っ直ぐに調整。

←すると12F上でこれだけの隙間が確認できました。
1弦側/約4.0mm   6弦側/約3.7mm

フレット高さのぶん(1.0mm)を差し引くと、1弦側/約3.0mm 6弦側/約2.7mm  という弦高になります。
さらに言うなら、ブリッジサドル部は最低でも2.0mm弱の飛び出し寸はほしいと前述しました。という事はブリッジサドルを限界まで(余裕をもった限界という意味)下げた状態で「弦高は3.0〜2.7mm」になるという事です。高すぎますよね。
*チューニングされるとトップ面が若干持ち上がるので、そのぶんも考慮しないとならず、そこは経験です。

 

と言うことで↓↓この部分を削り適正な「ネック角度」をつけていきます。

  

↓これは以前に紹介したマーチンのネックリセットですが、ノミだけでなくこんなふうな技も使います。

よく見かける作業ですね↑

基本、少し削っては確認、削っては確認、の繰り返しです。都度、その時に測った数値をメモに書き・・・・・

→→

ネックの差し込み角度だけではなく、左右のバランスも確認しながら削ります。角度が適正になったとしても、左右どちらかに傾いてしまったらそれはそれで大変ですから↓↓

←最終的に2.0〜1.7mmに。フレット高を引くと弦高1.0〜0.7mm

経験上、ネックを接着すると少し、さらに弦が張られてチューニングすると少し、合計0.7〜0.8mmほど(ここでの数値より)弦高は上がります。ですので、それを見越してここでネック角度修正は完成。予想どおりにいけば弦高は1.7mm前後になるはず。

*注)
通常のネックリセットでは、はじめにチューニングした状態での「弦高」と、チューニングを完全に緩めネックを真っ直ぐにした状態での「弦高」を計測し、その「差分」がいくつなのか把握しておきます。そうする事で張力の有無でトップ板がどれだけ変形するのか(上下するのか)が分かります。(トップ板だけではなくボディ全体の変形)
このギターは弦が張れる状態ではありませんでしたからね〜・・・・・

 

左右の隙間もなくピッタリにできればOK

  

ヒールキャップ部分もピッタリ

さて、次のページでは冒頭でご説明した「B」の部分、つまりダヴテイルジョイントの接着面の修正を行います。

 

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